■「泌尿器科におけるロボット支援下手術」
くまもと県北病院市民公開講座「泌尿器科におけるロボット支援下手術」を開催し、多くの人にご参加、ご視聴いただきありがとうございました。今回は熊本県北エリアに初めて導入された手術支援ロボットについてお話をさせていただきました。
ロボット支援手術は泌尿器科においては腹腔鏡手術の一種です。ロボット手術の最大のメリットは3D拡大視野での繊細かつ精度の高い手術が可能なことです。それを生み出すのは、多関節で人間の手首を超える広い可動域をもち、手ぶれ防止機能までもつ優れたロボット鉗子(かんし)と、先端に左右2つのレンズをもち、3D映像化により術者があたかも手術野に入り込んだかのような没頭感を得ることができるカメラシステムです。
当院では(1)前立腺癌で前立腺摘除術が検討される患者さん、(2)局所進行などの膀胱癌で膀胱全摘術が検討される患者さん、(3)4cm以下の小径腎細胞癌で腎部分切除術が検討される患者さんがロボット手術治療の対象となります。2023年2月に最初の前立腺癌のロボット支援手術が行われ、これまでに55件のロボット手術が行われました。幸い大きな事故などもなくスムーズなロボット手術導入ができました。ただし過去の手術や治療歴、合併症などによっては通常の開腹手術や腹腔鏡手術がすすめられることもあります。担当医と十分に話し合って治療方針を検討いたします。
くまもと県北病院
泌尿器科 山口隆大
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