■復興を成し遂げるため全力で取り組む
明けましておめでとうございます。
私が村長に就任して、4年という任期の中で最後の約3カ月を残すところとなりました。これまで就任直後から新型コロナウイルス感染症対策を進める一方で、令和2年7月豪雨災害からの復旧・復興に全庁挙げて取り組んでまいりました。改めてご協力を頂きました村民の皆さまをはじめ、ご支援を頂いたすべての方々に感謝申し上げます。
昨年は、復興まちづくり計画において、最優先で取り組む事項とした【くらし】被災者の生活再建については、6月に一勝地災害公営住宅「ルミエール永崎」が、8月には渡災害公営住宅「エスペランサ桜峯」が完成しました。また、宅地につきましても、塚ノ丸団地の造成、神瀬中心地の宅地かさ上げなどが行われており、引き続き、国・県と連携して計画的に進めてまいります。
次に、【そなえ】災害に強い村づくりに向けた復旧と備えについては、豪雨災害で甚大な被害を受けた球磨川流域において、「流域治水プロジェクト」に基づき、村内では遊水地・引堤・宅地かさ上げなどの事業が進められており、流出した橋梁についても全橋で工事が着工されました。また、災害時避難路となる国・県・村道などにつきましても順次整備を進めるとともに、避難所整備をはじめ円滑な避難体制の構築を図り、災害に強い村づくりを進めてまいります。
村が重点項目としていた教育環境については、4月に義務教育学校「球磨清流学園」が開校します。学校、家庭、地域が一体となって子供たちの学びを支える体制づくりなど、さらなる教育環境の充実を目指してまいります。また、福祉の視点では、発災前から本村の福祉の中心的な役割を担っていた特別養護老人ホーム千寿園が、令和6年1月に村内で事業を再開されます。
そのほか、仮設住宅を活用し、村有住宅へ転用するなど、被災された皆さまの一日も早い生活再建を目指すとともに、球磨村の財産である自然を活用した観光振興や産業振興に向けた取り組みを実施することで、移住定住の促進や交流人口の拡大につなげてまいります。
豪雨災害から3年半が経過しましたが、復興を成し遂げるまでには多くの時間が必要です。現在、村では、第6次球磨村総合計画後期基本計画の策定を進めています。球磨村が災害前から抱えていた人口減少・産業や観光振興などの様々な課題にも対応できるよう、令和6年度から10年度までの5年間の計画の中で、引き続き取り組む事項や新たに取り組むべき事項を洗い出し、事業を展開してまいります。
計画の策定と並行して、20歳代から30歳代の役場の若手職員を中心に、自由な発想でまちづくりに関するアイデアを提案する「復興未来トーク」を行い、その意見を復興の施策に反映させる取り組みを行っています。将来、自らが村を背負っていくという自覚のもと、様々な意見が出ています。「念ずれば花開く」何事も一生懸命に祈るように努力すれば、夢や目標は叶うという意味です。復興を成し遂げるという夢の実現のために、全力で取り組んでまいりますので、今後とも村民の皆さまのご理解ご協力をお願いいたします。
結びに、村民の皆さまにとりまして、新しい年が健やかで幸多い年となりますよう心からお祈り申し上げ、年頭のあいさつといたします。
球磨村長 松谷 浩一
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