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自治体の皆さまへ

球磨郡市広報研究協議会合同特集(3)

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熊本県球磨村

■くま鉄の魅力
~全国の鉄道ファンも注目~

◆自転車でレール上を走れる?
マウンテンバイクで線路上を走るレールサイクル『くまチャリ』。全線復旧までの期間限定イベントです。現役の鉄道レールを走るという、今しかできない貴重な体験が楽しめます。コースは十島菅原神社付近~相良藩願成寺付近の往復約4キロ。木々でつくられた自然の森のトンネルや球磨川、人吉の街並みを望める走りやすいコースを走行します。「ガタンゴトン」という音は列車そのもの。電動アシスト付きで爽快に楽しめます。ことしは3月2日から運行開始予定。現在受付中です。

◆現存する唯一の「幸福」駅
くま川鉄道の駅には「おかどめ幸福駅」という名の駅があります。くま川鉄道がJRから湯前線を引き継いだときに新設された駅で、日本で唯一「幸福」の名がつく現役の駅です。駅近くに幸福神社として親しまれている岡留熊野座(おかどめくまのざ)神社があることが名前の由来です。
昨年11月には台湾国内で唯一「幸福」の名がつく、台湾新北(しんぺい)MRTの幸福駅と、幸福のつく同駅名の友好提携が締結されました。台湾と日本、新北市と人吉球磨間の文化・経済交流を通して、さらなる観光客の増加が望まれます。

◆九州で唯一の風景が見られる
かつて日本中の鉄道で見られたタブレット交換の風景。タブレット交換とは、1つの路線を走る列車同士の衝突を防ぐために金属製の円盤(タブレットやスタフ)を持った列車だけが線路を走る仕組みのこと。あさぎり駅には交換の風景が残っていて、全国的にも希少なため、この交換を見るためだけに訪れるほど鉄道マニアから人気があります。
現在は被災による影響で、全線復旧までの間、形の違うスタフ同士の交換を行うことで、安全な運行が続けられています。

◆Interview
○我ら、くま鉄応援団!
東京支社長 杉山江利子(えりこ)さん(東京都)
副支社長 杉山聡(さとし)さん(北海道)
寄付やグッズ購入などでくま鉄を応援する人は全国に。その中で、テレビ番組を通してくま川鉄道の永江社長と出会い、社長公認の「くま川鉄道東京支社」としてボランティアで応援活動をする夫婦にくま鉄への思いを聞きました。

永江社長との出会いは約7年前。ほかの鉄道事業者の手伝いをしていた私たちに、社長から「鉄道イベントに参加したいが、社員2~3人の交通費や宿泊費などがかかるため参加は厳しい状況。手伝ってもらえないだろうか」と依頼があり、回数を重ねるうちにくま川鉄道東京支社として活動するようになりました。
令和2年7月豪雨被災前は、お客さまに「くま川鉄道はどこを走っているの?」と聞かれることが多かったのですが、被災後は「頑張ってください」「全線開通したら乗りに行きます」と励ましの声を多くかけてもらうようになり、皆さまの応援が我が事のようにうれしく感謝しています。一日も早く全線復旧できるよう、東京支社としてこれからも応援し続けます。

■くま鉄の未来
~これからも人吉球磨にはくま鉄が必要~
くま川鉄道株式会社取締役社長
永江友二(ながえゆうじ)さん(59…人吉市)
列車通学の経験はないが、五高校体育大会の応援に行くために湯前線を利用していた。列車通学の同級生から列車内での出来事を聞くのがとてもおもしろかったことを覚えている。

◆鉄道復旧に懸ける思い
令和2年7月豪雨災害でくま川鉄道が甚大(じんだい)な被害を受けたとき「赤字が年間8千万円ある会社なのに50億円もの費用を掛けて鉄道を復活させるのはどうか」という声もありましたが「復旧=存続」「復旧しなかったら廃線」になると思い、高校生の通学の足がどうなるのかを一番に考えました。そこで、目的地までの所要時間が短い速達性や大量輸送性、正確に到着する定時性などの利便性、運行費用などをバスなどのほかの交通手段と比較。その結果、鉄道がまだまだ優位だということが分かり、お金を掛けてでも復活した方がこの地域にとって最善だということに。1日も早い鉄道の復旧・復興が責務だと思い、社員全員が一丸となって復旧・復興事業と同時に通常の運行を行っています。

◆赤字対策に動画配信
収入源を増やす取組として、令和4年6月にYouTube(ユーチューブ)チャンネル「くま鉄チャンネル」を立ち上げました。現在(1月末時点)、チャンネル登録者数は約3千人。公開した動画を再生することで、くま川鉄道に収入が入ります。この収入で少しでも赤字を補うことができれば、鉄道に投じられている補助金を医療や福祉、教育に回すことができるのではと考えています。人吉球磨の皆さんにもぜひ視聴していただき、協力してほしいです。

◆鉄道が必要な理由
現在、湯前駅~肥後西村駅間で部分運行をしながら、令和7年度の全線開通に向けて計画を進めています。くま川鉄道がほかの輸送手段より優位である以上、全線開通後も存続していくことが大切で、利用者を増やしていくことが課題です。存続できなければ、通学する手段が無い高校生が不便さを理由に人吉球磨を出ていく恐れがあります。人口流出は少子化が進む人吉球磨の衰退に拍車をかける可能性も…。鉄道の存続で高校生の通学の利便性を保ち、地元に残りやすい環境を作り出すことも大事なことだと思っています。このことは、地域経済を考えると、鉄道だけの問題ではなく地域全体の問題として捉える必要があります。
人吉球磨地域にはまだまだくま川鉄道が必要です。湯前線開業100周年をお祝いするとともに、これを機に「地域公共交通をみんなで大切にしていこう」という、さらなる気運の高まりを地域全体で図っていけたらうれしいです。

○チャンネルを登録して、くま鉄を応援しよう!
くま川鉄道株式会社が運営するYouTubeチャンネル「くま鉄チャンネル」では、くま川鉄道の魅力や沿線地域の魅力、被災後の状況や全線復旧までの出来事、鉄道の豆知識などを発信しています。チャンネルを登録してぜひご覧ください。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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