新年明けましておめでとうございます。
村民の皆さまには、令和7年の輝かしい新春を、ご家族と健やかに迎えられたことと、心からお慶び申し上げます。
昨年は、1月1日に石川県能登半島を襲った最大震度7の地震に大きな衝撃を受けました。また、9月に同地域において甚大な被害をもたらした豪雨災害など、全国各地で多くの自然災害が発生し、あらためて災害の怖さを感じる一年となりました。
昨年12月に実施した防災学習の日では、地震を想定した倒壊家屋からの救出訓練を行いました。今後30年以内に発生する可能性が70~80パーセントとされている南海トラフ地震など、あらゆる災害へ対応できるよう準備を進めていきたいと考えています。
また、昨年は、豪雨災害から4年がたち、復旧・復興が進むなか、球磨村合併70周年を迎えました。多くのご来賓と村民の皆さんに祝福され、記念式典を開催することができました。併せて開催したくまむら復興祭では、保育園の園児の皆さんや、球磨清流学園の児童の皆さん、伝統芸能を披露していただいた地域の皆さんなど、たくさんの方々のご支援を得て、盛大に執り行うことができました。天候にも恵まれ、延べ約2千人の方々にご来場をいただき、あらためて感謝申し上げます。
復興へ向けた取り組みでは、特別養護老人ホーム千寿園が1月に村内へ移転が完了し、事業を開始されました。4月には球磨清流学園が開校しました。そのほか、村内各地で宅地かさ上げ事業や遊水地整備などの治水事業をはじめ、生活道路や橋梁、農地などの復旧が進められており、今後も国・県と協力しながら一日も早い復旧・復興に努めてまいります。
一方で、以前から減少傾向であった人口は、災害の影響によりさらに急速に減少し、高齢化率についても50パーセントを超え、集落の維持ができなくなる地区の発生も懸念されています。このような状況を踏まえ、昨年策定した第6次球磨村総合計画「後期基本計画」では、「豊かな自然とともに生き みんながつながる球磨村~輝き・活力・誇りを未来へ」を将来像に掲げ、その実現を目指し、諸施策に取り組んでまいります。この将来像には、子どもたちが輝き、若者が活力に満ち、高齢者が誇りをもって住み続けることができる村を未来へつないでいくという想いが込められています。球磨村の魅力である森林・球磨川・棚田など地域の豊かな自然を最大限活用し、地域力を向上させ、選ばれるむらづくりを実践してまいります。
昨年11月、村内5カ所で村政座談会を開催しました。それぞれの会場でたくさんのご意見やご要望をいただきました。今後も、復興まちづくり計画に沿って、各地域で復興に向けた事業を進めてまいります。地域の皆さまの思いを実現させること、単に災害前の状態に戻すだけでなく、中長期的な視点に立って、被災前の状態よりさらに良い状態にすることで持続可能なむらづくり、いわゆる創造的復興を成し遂げていきたいと考えています。
ことしの干支は「巳」です。蛇は脱皮を繰り返し、再生と復活を連想させることから、巳年は新しいことが始まる年になるといわれています。輝かしい新年が、球磨村にとって力強く再生・復活する一年になるよう、職員一丸となって村政運営に取り組んでまいりますので、村民の皆さまの一層のご理解とご協力をお願いいたします。
結びに、村民の皆さまにとってこの一年が健康で笑顔の多い年になりますよう、心からお祈り申し上げ、年頭のあいさつとさせていただきます。
球磨村長 松谷 浩一
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