■地域密着型無料学習塾 NEWSTEP塾長 三川翔夢さん
〔Profile〕みかわ・つばさ
平成18年11月13日生まれ。鹿本高校2年生。自律神経の異常で朝起きられない「起立性調節障害」が原因で不登校になった経験を持つ。「医療と教育には絶対に格差があってはならない」という理念のもと、今年3月に同級生と2人で「地域密着型無料学習塾NEWSTEP」を開塾した。将来の夢は小児科医になること。入塾は無料だが教材費は有料。亘区在住。17歳。
「先生。この問題はどう解くの」「これはあの単語を使うんだよ」。ここは市内の小中学生約30人が通う無料塾。講師は全て高校生が務める。「年齢が近いからこそ教えられることがある」と話す若き塾長は、温かいまなざしを生徒たちに向ける。
思い立ったのは今年の2月。ふと目にしたニュースサイトで、貧困が原因で勉強できない子どもがいることにがくぜんとした。どうにかしたい。でも学生の自分に、今の自分にできることはあるのか。「そうか、自分が教えればいいんだ」。悩みに悩んでたどり着いた答えが無料塾だった。
「高校生が塾なんてできるわけがない」という周囲の言葉をはねのけ、一カ月で開塾にこぎつけた。「一度決めた目標を曲げるのは絶対に嫌なんです。皆さんの協力のおかげでなんとかスタートできました」。勉強以外にも相談しやすい環境をつくろうと、講師は高校生にこだわった。自身が小中学校で不登校を経験したことも理由の一つだという。「子どもたちが笑顔になれる場所をつくりたい。高校生にとっても人に教える経験はこれからの人生の財産になります」と力を込める。
2人で始めた無料塾。思いに賛同した同志が増え、今では10人の高校生が勉強を教える。「僕の次に中心となって動いてくれそうな子もできました。これからも今の形にこだわって塾を続けたい。将来、今の受講者が講師になってくれたらうれしいですね」
■「菊池人」希望者を募集します
新しいことに挑戦している人、伝統を受け継いでいる人など、菊池で頑張っている人を募集します。本市在住であれば自薦・他薦は問いません。詳しくは市長公室までお問い合わせください。
問い合わせ先:市長公室広報交流係
【電話】0968-25-7252
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