■チャンスを生かし、一致団結で昇竜の年へ
菊池市長 江頭実(えがしらみのる)
新年明けましておめでとうございます。市民の皆さまにおかれましては、気持ちも新たに新年をお迎えのことと思います。
さて、昨年は世界的なコロナ禍の状況は落ち着いたものの、ウクライナでの戦況が長期化し膠着(こうちゃく)状態となる中、10月には中東のガザ地区におけるパレスチナとイスラエル間の紛争が勃発。悲惨な状況が続き、世界的な対立や分断が深まるなど、文字通り「激動と混迷」の一年となりました。
我が国ではWBCでの日本チーム優勝や大谷翔平(おおたにしょうへい)選手の活躍、藤井聡太(ふじいそうた)八冠の誕生など明るい話題も誕生しました。
本市の昨年を振り返ると、菊池一族関連の史跡群が国史跡に答申されるという、うれしいニュースがありました。
日常の暮らしが戻るに連れて祭りや行事が再開。特に市ふるさと創生市民広場の盆踊りや年末のイルミネーションのような市民発の新しいイベントが定着しました。その中でもダムフェスタなどの地域の取り組みは全国の好事例として表彰されることとなりました。子ども議会で中学生が提案したSDGsフェスティバルが学校や企業・市民団体の協力によって実現するなど、市民力が発揮された一年でありました。経済面では、TSMCの工場が立ち上がるとともに本市にも工場や住宅用地を求める動きが加速しました。
本年にはいよいよTSMCの稼働が始まり、これを契機に菊池地域は急速に変化していくことが予想されます。特に本市にとっては住宅を促進することで、人口増加に転ずる可能性のある大きなチャンスの到来です。優良な農地を確保しつつ、中長期的に農・商・工のバランスの取れた発展を目指してまいります。
また、工場集積地帯から最も近い温泉地としての特性を生かし、関連企業の従業員・家族の奥座敷として、癒やしの場を提供する菊池らしい観光地づくりを進めていきます。これまでの温泉・食・歴史文化・健康を基軸に据えながら、外国人観光客を積極的に取り込んでいきます。
令和6年度は合併による市誕生20周年を迎えます(令和7年3月)。この間、熊本地震やコロナ禍をはじめ多くの困難や課題に直面してきましたが、その都度乗り越えてきた原動力は市民の団結力です。新しい年を迎え、国内外とも一層見通しのきかない情勢が続きますが、本市の持つ自然力・市民力・文化力に自信を持って、一致団結して立ち向かっていこうではありませんか。
約950年前、菊池一族がこの地に居を構える契機となった白龍伝説が残っています。今年は辰年。この新しい年が昇り竜のごとく上に向かって進んでいくことを願っています。
皆さまにとりまして、本年が健康で安心に満ちた明るい一年になりますよう祈念申し上げ、年頭のごあいさつとさせていただきます。
令和6年 元旦 菊池市長 江頭実
■多様な住民が参画できる議会を目指して
菊池市議会議長 水上隆光(みずかみたかみつ)
新年明けましておめでとうございます。市民の皆さまにおかれましては、輝かしい新春をお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
年頭にあたり、市議会を代表し新年のごあいさつを申し上げます。
市民の皆さまには、日頃から議会運営や議会活動に対し、温かいご支援ご協力を賜り、心から感謝を申し上げます。
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が5類へと移行し、ようやく日常が戻り地域経済も少しずつ回復してきたと感じています。
その一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安の影響などによる原油価格や物価の高騰はとどまるところを知らず、事業者や市民の皆さまにとっては厳しい一年であったと思います。議会としても必要に応じて臨時議会や全員協議会などを開催し、迅速に対応してまいりました。
議会活動では、昨年3月に「議会改革検討特別委員会」を設置し、議員定数、開かれた議会づくりなどについて議論しているところです。「政治倫理条例検討特別委員会」では、政治倫理の確立を目指し条例内容について議論を行っており、今年中には報告ができるよう進めています。
また、コロナ禍で中止していた常任委員会での行政視察を4年ぶりに再開。総務文教常任委員会は「公共施設再配置計画等」、福祉厚生常任委員会は「健康診断の受診率向上に関する取り組み等」、経済建設常任委員会は「有害鳥獣の処理等」について先進地の行政視察を行いました。今後は、視察したことを参考に市政発展のため役立てていきます。
さらに、TSMCの菊陽町進出を本市経済の活性化につなげるため、定期的に協議会を開催。執行部の取り組み内容の把握や現地視察を行いながら議論を重ねています。今後は、地域の潜在的な課題や機会を特定し、地域の発展に寄与するよう提言をまとめて行きたいと考えています。
地方分権が進み、急速な社会経済の変化が広がる中で、議会の役割と責任が拡大しており、多様化する民意を的確に反映・集約することが求められています。現在、市政の透明性を高め、共同で解決すべき課題を明確にするため、常任委員会ごとに関係する各種団体とテーマを決めた意見交換会を行っています。参加者の皆さまから得られた意見などを踏まえ、今後の市の方針や計画に具体的に反映できるよう努めていきます。
令和6年は「辰年」。「龍は縁起の良いシンボルとして知られ、勇気や繁栄をもたらす」とされています。この力強いエネルギーに励まされ、市民生活が大きく向上する年になるよう議会でも全力で取り組む考えであります。
結びに、本年が市民の皆さまにとって健康で安心に満ちた幸多き年となりますことを祈念申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。
令和6年 元旦 菊池市議会議長 水上隆光
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