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《シリーズ》南北朝・菊池一族歴史街道(16)

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熊本県菊池市

■取り追う祭り
佐賀県伊万里市で、菊池一族ゆかりと伝わる祭りが行われています。二里町大里(にりちょうおおざと)地区にある神原八幡宮(かみのはらはちまんぐう)で、毎年12月の最初の「卯の日」の前夜に開催される「取り追う祭り」です。今年の開催日は、12月4日(水)です。
神社の社記によると、「南北朝時代、菊池一族13代当主武重(たけしげ)が戦傷を負い、この地に身を隠し神原八幡宮の神官となって再起を図った。その時に行った火中訓練が取り追う祭りの起源である。(意訳)」とされています。
御供(ごくう)さんと呼ぶ握り飯が入ったテボ(竹製のカゴ)を、攻め手と守り手で取り合うことが、祭りの語源といわれます。
会所(えいしょ)といわれる家で、神社そばの神聖な水で調理した新米を使い、息が掛からぬよう榊(さかき)の葉をくわえた男たちの手で、御供さんは握られます。その数は833個と決まっていて、武重勢と北朝勢の戦いの時の戦死者数と伝わります。
辺りが暗くなる午後5時ごろから、大きな松明を抱えた氏子の村衆が神社の参道を練り歩き、いよいよ祭りの開始です。
祭りの最大の見せ場は、御供さんの奪い合い。「打ーちゃえんかー」と叫びながら、浴びせられる火の粉を榊の葉を使って振り払い、テボを奪おうとする攻め手。対する守り手は「押ーしゃえんかー」と叫びながら大きな松明を振り回し、火の粉を浴びせてテボを守ります。約20分の攻防戦の後、攻め手がテボの蓋を開けて合戦終了。
最後に、御供さんが氏子や見物者に配られます。神聖な御供さんを口にすることで、その年の豊作や健康長寿に感謝し、取り追う祭りは終わりを迎えます。
菊池市から約100キロも離れた伊万里の地で、菊池一族にまつわる伝統行事が、地域の人々の手によって大切に続けられています。

問い合わせ先:観光振興課
【電話】0968-25-7223

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