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人権・同和教育シリーズ(231)

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熊本県菊池市

■あいさつから生まれる人とのつながり
地域人権教育指導員 宮川淳一(みやがわじゅんいち)

毎朝、自宅の近くで自転車で通う大勢の外国からの技能実習生とすれ違います。一度に20数人とすれ違うこともしばしばです。初めのうちは、「おはようございます」「こんにちは」とあいさつしても、自転車に乗ったまま通り過ぎたり、こちらをチラッと見るだけの日々でした。
たとえ言葉は通じなくても、あいさつくらいは分かり合えるだろうと、私は何回も、何十回も続けました。そのうち、あいさつが返ってくるようになりました。特に、愛犬と散歩の時や地域の小学生の登校の見守りの時には笑顔で返してくれる人もいます。多分、ペットや幼い子どもが一緒だと、彼女らも安心感に包まれるからなのでしょう。
私は、「あいさつぐらいはしたいなぁ」と思う性格なので、せっかく同じ地域に住んでいるならば、あいさつを交わさない方がストレスになると思っているのです。
初めて会った人とあいさつをする、初めて会った人と握手でお互いの存在を認め合う。このことは、生まれた国が違っても、お互いが近づくための大事な一歩だと思えるからです。
あいさつは、たとえ親しい間がらでも必要だと思いますし、知らない人なら、なおさら人と人とのつながりには欠かせないものだと強く思います。

▽あいさつする自分をもっと好きになる
以前、勤務した学校でのことです。人権教育を進めていくうえで大切なことや大事にしたいことなどが、たくさんあります。その中で、地域の人を学校に招いて、ゲストティーチャーとして話をしてもらったり、交流をしたりしながら、地域のことをもっと知って、地域を大事にし、自分も友だちも大切にしようという学習の機会がありました。
そのゲストティーチャーの人は、次のような切り口で子どもたちに迫られていきました。「みんなは、自分のことが好きね?嫌いね?」子どもたちが首をかしげていると、すかさずこう言われました。
「学校に行くときや帰るときに会う近所のおじちゃんやおばちゃんにあいさつする自分は好きね?嫌いね?」「おばちゃんは、元気よくあいさつするあんたたちはとっても好きよ。いい?自分を好きにならんと、友だちもお母さんたちも、みんな好きになれんとよ。自分をもっと好きになって、周りのみんなを大切にしてね。そして、おかしいときには、おかしいと言える関係を作ってほしいとたい」と言って話を進めていかれました。
あいさつは、単なる儀礼だけでなく、人とつながっていくうえで、とても欠かせないものだといえるのです。

問い合わせ先:人権啓発・男女共同参画推進課
【電話】0968-25-7209

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