心と体の健康を保つためには、適度な運動・バランスの取れた食生活・十分な睡眠が必要不可欠。また、太陽の光を浴びることも重要です。日照時間が短くなる冬も、太陽の光を取り入れる工夫をしましょう。
■日照時間の短さが心に影響
例年1月末から2月初旬は、1年の中で一番寒い時期です。毎年この時期になると、なんとなく気分が落ち込んだり、普段よりやる気が出なかったりという人がいるかもしれません。
季節による気分の落ち込みには、冬場の日照時間(太陽が照っている時間)の短さも影響しています。気象庁によると、菊池市の2月の日照時間は、1日約4・9時間。8月は1日約6・4時間です。比較すると、2月は8月より1・5時間ほど日照時間が短い計算になります。
■冬は「幸せホルモン」が少なくなる季節
日照時間が短いと、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌量が少なくなってしまいます。セロトニンは脳内にある化学物質で、不安やイライラを減らして、意欲を向上させ、集中力を高める働きをしています。
セロトニンは目から日光を取り入れることによって体内での合成が促されるため、日照時間が短いとセロトニンの量が少なくなり、気分の落ち込みや過眠、だるさが現れやすくなります。
また、日照時間の短さによって、体内時計が乱れやすくなります。私たちの体には、睡眠・覚醒のリズムをコントロールする体内時計のシステムが備わっています。体内時計は朝に日の光を浴びることでリセットされますが、日照時間が短くなるとずれが生じ、体内時計が乱れやすくなります。その結果、朝起きることがつらくなる、疲労感や倦怠感、気分の落ち込みが起こりやすくなります。
■気分の落ち込みを予防しよう
では、気分の落ち込みを予防するためにはどうすればよいのでしょうか。おすすめの方法を紹介します。
(1)日光を生活に取り入れる
朝起きたら、曇りや雨の日でもカーテンを開け、日の光を浴びるようにしましょう。できるだけ起床時間は固定して、規則正しい生活を送るようにしましょう。朝一番、決まった時間に日光を浴びることによって、体内時計がリセットされます。
日照時間が短い中でも日光を浴びる時間をなるべく増やし、セロトニンを増やしましょう。
(2)セロトニンを増やす食事を取り入れる
セロトニンは必須アミノ酸の一種「トリプトファン」と「ビタミンB6」で合成されています。
トリプトファンは、肉や魚・卵・乳製品・大豆製品・ナッツ類・ホウレンソウ・バナナなどに多く含まれています。ビタミンB6は、赤身肉や鶏肉・牛レバー・マグロ・カツオ・バナナなどに多く含まれています。意識して食べるようにしましょう。
(3)運動でセロトニンを増やす
ウオーキングやヨガ、ストレッチなど、一定のリズムや呼吸で行われる動きでもセロトニンの分泌を促すことができます。
特に朝の散歩は、朝日を浴びて効率的にセロトニンを合成できるのでおすすめです。
■こんな状態が続いたら要注意
・気分の落ち込みや物事に対する興味や喜びがない
・食欲や睡眠に異常がある
・自分を責め、死にたいと思う。
これらの状態が長引いていたら要注意です。
2週間以上続いている場合は、決して無理せず、一人で抱え込まずに周囲の人や医療機関、相談窓口などに相談してください。市役所では心理士による相談を受け付けています。
問い合わせ先:健康推進課健康推進係
【電話】0968-25-7219
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