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人権・同和教育シリーズ(222)

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熊本県菊池市

■人の世に熱あれ 人間に光あれ
地域人権教育指導員 末永知恵美(すえながちえみ)

3月3日は何の日かご存じですか。1922年、日本で初めての人権宣言といわれる「全国水平社宣言」が出された日です。
「人の世に熱あれ人間に光あれ」で結ばれる、差別される側から発せられた宣言です。
宣言文を起草したのは「西光万吉(さいこうまんきち)」という人物です。部落差別の厳しさ故に、学校に行けなくなり、一人で読書に没頭する日々が続き、父親はただ彼を見守ります。転校し、新たに生き始めようとしましたが、差別はどこまでもついてきます。どこにいても差別をする人がいたということです。
絵の才能がありながら、ふるさとを知られたくないと、絵の道をあきらめ、生きる気力を失った西光は、なかまたちがいるふるさとへ帰っていきます。そうして生まれたのが「全国水平社宣言」です。
部落差別に虐げられてきた人々が、差別される立場にあることで、その痛みも人の世の冷たさも誰よりも知っている、だからこそ、部落に生まれたことを恨むのではなく、自分たちの立場を誇りに思い今こそ立ち上がろうではないかというような内容の宣言です。

□映画上映『破戒』
全国水平社創立100周年を記念して、2022年には映画『破戒』が上映され、全国でも好評で上映期間が延長されました。菊池市人権フェスティバル人権作文入選作品の中にも、全国に引き続き、熊本県水平社創立100周年であることを知り、『破戒』を観て、「部落差別は人間がつくった差別なので人間が無くしていかなければなりません。そのために、部落差別を他人事にせず、自分のことのように考え、差別に立ち向かう仲間を増やしていきたいです」と綴り結んだ中学生がいます。

□正しく学ぶ子どもたち
菊池市の小中学生は4年生になると部落差別について詳しく学習します。部落差別とは何か。全国水平社創立や西光万吉など宣言文を作り上げた人々の願いは何なのか。部落差別を無くす運動を展開してきた各地の闘いの様子、現在の部落差別の状況などについて、各学校の課題や発達段階に応じて学びます。
部落差別に関する正しい知識を身に付けて、インターネット上のデマや差別的な情報に惑わされない力、情報をうのみにせずに、正しく受け止め、正しく発信する力「メディアリテラシー」を身に付けるような学習を行っています。
各学校には、学ぶ内容や授業の様子、感想などを学級通信などで掲載して、家庭でも話題にできる環境を作ってほしいと伝えています。小中学生たちが学校で学んできたことを、きちんと理解して話ができる大人でありたいですね。
差別の問題は決して他人事ではありません。自分に関係有る無しに関わらず、考えてほしいと思います。子どもたちには負けられませんね。

問い合わせ先:人権啓発・男女共同参画推進課
【電話】0968-25-7209

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