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竜門ダムの工業用水利用について

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熊本県菊池市

半導体関連企業の県内進出に伴い、工業用水需要が高まっていることから、熊本県企業局が竜門ダムに所有する未利用水を送水する計画が決まりました。

■承認までの経緯
半導体関連工場向けに工業用水を供給するため、農業用管路(パイプライン)を利用して熊本県企業局が所有する竜門ダムの未利用水を送ることが決まりました。
TSMC(台湾積体電路製造)の県内進出で工業用水需要が高まることから、パイプラインを使ってダムの未利用水を供給します。地下水への負担を減らす取り組みの一つです。
ダムから半導体関連工場が集積するセミコンテクノパークまでは直線距離で約16キロ。工業用水のパイプラインを新設するには多くの時間と費用が発生することから、県企業局と管理委託を受けている菊池台地用水土地改良区が協議を続けてきました。
今年3月、菊池台地用水土地改良区は総代会でパイプライン利用を承認しました。工業用水の水利権の範囲での供給や、使用が多くなれば工業用水を止めることなどが条件です。県はパイプラインの維持管理費を土地改良区側に支払い、かんがい期でも農業用水と工業用水の確保ができるよう、調整池を設ける予定です。
農家の皆さんからは、水を多く使う夏場に農業用水を送れなくなるとの懸念が出ていましたが、農業用水の送水を最優先に工業用水の供給に取り組んでいきます。

■工業用水送水の概要(左図参照※本紙掲載)
(1)農業用水の水利権を分けるものではなく、県企業局が持っている工業用水の水利権の範囲で送水。
(2)長洲町・荒尾市・福岡県大牟田市で使用している工業用水は竜門ダムに持つ水利権の約半分の利用となっている。
(3)和水町の白石堰で使用されていない工業用水の余剰量を利用。
(4)工業用水の余剰分を地下水保全の観点から、TSMC関連企業へ送水。
(5)送水にあたり、菊池台地用水土地改良区が管理する国営パイプラインの一部を使用。

■工業用水送水のイメージと農業用水を守るための主な条件
竜門ダム(国土交通省)

国営造成施設(菊池台地用水 土地改良区)
パイプラインとファームポンド

熊本県企業局(工業用水)
調整池を設置し、浄水

受水企業(TSMC工場など)
地下水とダム水を利用

※詳細は本紙をご参照ください。

▽主な条件
・常に農業用水が最優先である。
・農業用水の利用が多くなった場合は工業用水を停止する。
・県企業局が竜門ダムに持っている工業用水の水利権の範囲内で送水する。

■農業用水が最優先
農家の皆さんが先祖から受け継いできた農地を守り、農業用水を使用することで、地域の地下水涵養、大雨時の防災など、農業が地域へ与える好影響は計り知れません。
今回の送水は国策として半導体企業を後押しする中で重要な案件ですが、このパイプラインは農業用水のための施設です。農業用水が最優先であることに変わりはありません。

問合せ:
菊池台地用水土地改良区【電話】0968-25-1500
農林整備課【電話】0968-25-7222

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