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菊池人(136) ~山を守るのは自分の責任

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熊本県菊池市

■山師 水上 兼司郎さん
〔Profile〕みずかみけんしろう
昭和54年3月9日生まれ。(有)水上林業代表取締役。翔陽高校卒業後、三重県にある速水林業に就職。「FSC森林認証制度」日本初取得企業で3年間研鑽を重ねた後、家業を継いだ。令和3年には木質バイオマスチップを製造する(株)ウッドフィールドを設立。趣味は野球、ゴルフ、釣り。家族は両親と妻、子3人。小川区在住。45歳。
市内外の林業者から木材を受け入れる(株)ウッドフィールドの敷地内で。「捨てられるはずだった間伐材などをチップにすれば、1本の丸太の価値が上がり生産性も上がります」

「先人たちが植林してくれたから今の山がある。未来のためにできることは何でもやるつもりです」。売れる木に育つまで5、60年かかり、この間の収益はわずか。それでも山が自分の職場。大自然の中、山師は実直に木と向き合い続ける。
山で働く祖父と父を見て育ったからか林業への迷いはなかった。「広く社会を見てこい」と背中を押され、江戸時代から続く三重県の林業会社に18歳で飛び込む。空き時間にさまざまなアルバイトも経験したが「やっぱりまちより山の中での仕事がいいね」と笑顔。3年の修業の後、家業を継いだ。
今、木を植えても生きているうちに伐採や利用はできず、行く末は次世代に託される。醍醐味は数百年先の理想を思い描きながら働くこと。そんな中、各地で始まった太陽光発電施設の建設に頭を悩ませた。大規模な森林開発は景観を損ね、土砂災害につながることも。山を守りたい。考えた結果、伐採後の枝や間伐材などを利用する木質バイオマスチップの製造会社を立ち上げた。「放置されてきた木がエネルギーに生まれ変わる。山に携わる者としてこんなにうれしいことはありません」
木材価格の長期低迷、担い手の高齢化など課題は山積。林業を取り巻く環境は厳しさを増す。「人手も足りないし、管理されていない山も多い。でも絶対あきらめたくない。大切なのはもうかるよりも持続させること。山を守るのは自分の責任です」

■「菊池人」希望者を募集します
新しいことに挑戦している人、伝統を受け継いでいる人など、菊池で頑張っている人を募集します。本市在住であれば自薦・他薦は問いません。詳しくは市長公室までお問い合わせください。

問い合わせ先:市長公室広報交流係
【電話】0968-25-7252

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