平成22年度より、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)が行う「夢の教室(ユメセン)」を、小学校5年生と中学校2年生を対象に実施しています。
夢の教室では、夢を実現させてきたアスリートなどが「夢先生」として教壇に立ち、自身が困難を乗り越えてきた経験を語り、夢を持つ素晴らしさや努力を続ける大切さなどを伝えました。
本年度実施した、中学校2年生の授業の一部をご紹介します。
◆9/17『仲間の大切さに気付く 自分<;仲間』
・フットサル日本代表 仁部屋 和弘(にぶや かずひろ)さん
「現在の夢は、フットサルW杯に出場し、優勝すること」
幼少期にサッカーと出会い、夢中になり、日本代表になって活躍したいという夢を掲げて大分県の強豪チームに入団した。
自分に甘くなり、一時サッカーから離れたこともあったが、自分に何ができるかを考え、可能な限り自主練習に取り組んだ。その中で、「フットサル」と出会い、スカウトされたのをきっかけにフットサルのプロになった。
その後も努力を続け、日本代表となりアジア杯を二連覇したが、W杯予選で敗退してしまう。さらには足に大ケガをしてしまい、夢をあきらめそうになったが、周りの人々から支えられ、自分は一人ではないと感じ、周りの人々のためにも、もう一度頑張ろうと決心し、現在、再びW杯優勝を目指している。
大切なことは、仲間を大切にする気持ちや何事からも逃げずに考える力を持つこと。目標や夢に向かって諦めずに進んでほしいと思う。
◆9/18『失敗=経験』
・元WBC世界フェザー級チャンピオン 越本 隆志(こしもと たかし)さん
「夢が達成できたからすごいのではない」
小さい頃は、内向的で運動が苦手であったが、中学3年生の頃、父がボクシングジムを始めたことをきっかけに、ボクシングを始める。努力することで上達し楽しかったが、高校入学後、試合に出場するも納得のいく結果が出ず、気持ちが落ち込み高校卒業後にボクシングを辞めてしまう。
他に何か打ち込めることを探したが見つからなかった。そんな時に後輩の試合のセコンドを経験し、このままでは先へ進めないと思い、再びボクシングを始めた。プロテストに合格し、日本チャンピオンになったが、一度目の世界タイトル戦で敗れた。
その後、肩に大けがを負い選手生命の危機に陥った中で、応援してくれる人への感謝の気持ちが足りなかったと気づき、もう一度頑張ろうと決意し、努力を重ね、35歳で世界チャンピオンになることができた。
目標を達成しようとする中で、誰もが壁にぶち当たるが、越えられない壁はなく、壁を越えるための努力に無駄なものはない。そして、失敗することが全てマイナスではないので、夢を持ち突き進んでほしいと思う。
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