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自治体の皆さまへ

【連載】鉄道ものがたり

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熊本県阿蘇市

鉄道を利用する人、鉄道に関わる人たちと皆さまをつなぐため、豊肥本線と人々が紡ぐ物語を連載記事として紹介していきます。

【STORY2 Welcome to ASO!】
◆阿蘇と世界をつなぐ 観光路線としての豊肥本線
午前10時30分、阿蘇駅1番のりば。熊本駅方面からヘッドライトを耀かせ白と黒の2色で塗られた車両が入ってきました。熊本駅から別府駅へ向かう「特急あそぼーい!」です。阿蘇駅では大勢の乗客が降車。その多くが阿蘇駅に隣接するバス乗り場から出発するバスに乗り込み、阿蘇山上へと向かいました。この日は快晴、きっと火口見学を楽しむのでしょう。
バス出発後も待合室内に残っていた2人組に話を聞きました。2人はデイビッドさんとクリスティナさん。メキシコから来日し、東京、京都、広島を訪れ、この日、熊本駅から「特急あそぼーい!」で阿蘇へやってきました。「阿蘇では電動マウンテンバイクのツアーに参加する予定です」とクリスティナさんは話しました。
デイビッドさんに「特急あそぼーい!」の感想を聞くと「とても楽しくて快適でキュートでした。車内のいたるところで写真を撮りました」と笑顔で教えてくれました。「鉄道は時間が正確で便利」と続けたデイビッドさん。日本の鉄道システムは世界中で高い評価を得ており、多くの外国人観光客が日本の鉄道を利用して旅行を楽しんでいます。特に、「特急あそぼーい!」などの観光列車は、独自のデザインやサービスが人気を集めています。
阿蘇のような観光地への移動は、車やバスだけではなく、鉄道が重要な役割を果たしているのです。
多くの観光客が集まる阿蘇駅周辺。今、大きく変わろうとしています。11月には駅舎の西側に、外資系ホテル大手による県内初の宿泊施設が開業予定です。施設内にレストランや浴槽はないため、宿泊客は近隣の飲食店や温泉を利用します。この新たなスタイルのホテルは地域経済の活性化につながると期待されています。
外資系ホテルの開業やコロナ禍からの回復もあり、外国人観光客の増加が予想される阿蘇。その輸送の一翼を担う交通機関として豊肥本線にも大きな期待がかかります。世界中から阿蘇へ人を運ぶ豊肥本線は、阿蘇と世界を繋ぐ存在と言えます。

○こぼれ話
阿蘇駅はかつて坊中駅だった?
阿蘇駅は大正7年、宮地ー立野間が開通したときに、旧黒川村民の猛運動により坊中駅として開業しました。当時から旧黒川村は「阿蘇駅」と名乗ろうとしていたそうですが、旧宮地町側が反発。昭和29年に町村合併で阿蘇町が誕生すると、昭和36年には阿蘇駅に改称されました。
(井上智重「豊肥線と阿蘇」1999)

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