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自治体の皆さまへ

人にやさしいまちの実現に向けて~互いの人権を尊重し、支え合うことから~

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熊本県高森町

■人権(じんけん)
◇~「防災の日」に私たちが忘れてはならない悲しい出来事とは~
9月1日は防災の日であり、1923年に発生した「関東大震災」の日でもあります。今からちょうど100年前の9月1日午前11時58分、関東地方南部を襲ったマグニチュード7.9の大震災により多くの家屋が焼失し、死者・行方不明者は約10万5千人にのぼりました。
この震災の混乱の中、「朝鮮の人たちが井戸に毒を入れた」、「武器を持って襲ってくる」などの全く根拠のないデマ(流言(りゅうげん))が流されました。そしてこれらのデマは、新聞や人伝(ひとづて)により増幅・拡散され、これを信じた住民により自警団が結成され、ついには朝鮮半島出身の多くの人たちが殺害される事件が起きたのです。その数は千人から数千人といわれており、中には中国人や日本人も含まれていました。(「政府の中央防災会議報告書2009」から)

◇~事件の教訓を未来に生かすには~
「この事件は100年前の出来事であり、今日の私たちとは関係ない」と考えがちですが、残念ながら、似たような出来事が最近の大きな災害時でも起きていたことは記憶に新しいところです。12年前に発生した東日本大震災では、「ナイフを持った外国人窃盗団が横行している」などのデマがネットに書き込まれ、瞬く間に拡散しました。さらに注目すべき問題点は、そのようなデマを多くの人たちが信じていたという事実です。また、コロナ禍の中においても、国内の感染者や外国人に対する数え切れないデマや誹謗中傷がSNS上で飛び交いました。
2つのケースに共通して言えることは、普段の生活の中では抑えられている不満や不安、ストレスといったものが、このような災い(禍)をきっかけに一気に表面化し、そのはけ口として地域の中の弱者や少数者に向けられる、ということです。そうならないためにも私たち一人一人は、揺るぎない人権意識と差別や偏見を見抜く力を付けていくことが大切です。
関東大震災で引き起こされた惨事を教訓として未来に引き継いでいくためにも、「その時、何が起きたのか」「なぜ起きてしまったのか」を正しく知っていくこと…これこそが、今もなお残る部落差別をはじめとする様々な人権問題を解消していく大きなヒントに繋がると思います。

問合せ:高森町教育委員会 地域人権教育指導員
【電話】0967-62-0227

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