~互いの人権を尊重し、支え合うことから~
―2024年度阿蘇郡市人権同和教育研究大会に参加して―
◆はじめに
この大会は、阿蘇郡市内の7市町村から、地域、学校、保育園・幼稚園、企業・団体、議会、行政など、各組織に所属する人たちが参加し、あらゆる人権問題について考え、学び合う研修会であり、今年で40回を数える歴史ある大会です。8月4日(日)の午前に郡市内6会場で分散開催され、事務局を担当した西原村をはじめ各市町村が大会の運営を担っていきました。
また、分科会は「学校人権同和教育部会」が4つ、「就学前人権同和教育部会」と「社会人権同和教育部会・部落解放部会」が1つずつで、各会場に75人~100人の参加者が集い、2本のレポート発表、質疑応答、意見交換、まとめという流れで行われました。ここでは、私が参加した西原村会場についてご紹介します。
◆分科会の報告内容から
会場となった西原村総合体育館では、「社会人権同和教育部会・部落解放部会」の分科会が行われ、100人を超える方々が参加されました。そして、部会のテーマ「部落差別の現実に深く学び、家庭・地域での人権同和問題解決に向けた、わたしたちひとりひとりの取組を確認し合おう」を柱にお二人の報告者が発表され、それを受けて参加者全員で意見交換を行いました。
報告者のうちのお一人は高森町の中川和子さんでした。レポートの内容は、長年、ボランティアで「高森町ふれあい子ども会」にかかわる中、8年前の熊本地震をきっかけに、子どもの居場所づくりとして「子ども食堂」を立ち上げたこと、さらにこの取組では、地域、学校、行政等との繋がりを大切にしてきたこと、などについての報告でした。
◆「人とひとを繋ぐ場所づくり」から「人にやさしいまちづくり」へ
中川さんはこの中で、「自ら立ち上げた『こどもキッチンこころ(子ども食堂)』が、子どもや一人暮らしの高齢者の方にとって心地よい居場所であることを目指した」と述べておられます。また、周囲の大人による、子ども食堂に対する誤ったイメージを払拭(ふっしょく)するために、この活動を「人とひとを繋ぐ場所づくり」と捉(とら)えて取り組んでこられました。
私は、これらの考え方や行動こそが「人を大切にする」、「人に寄り添う」という言葉の具体的な姿であることを実感すると共に、自分にとっても大きな学びとなりました。
8年前に動き出した1つの小さな行動は、今、その取組に共感する多くの人たちとの繋がりの中で、大きな輪となって広がりつつあります。
(*中川さんの子ども食堂の取組については、昨年の広報7月号にも紹介されています。)
問合せ:教育委員会事務局 地域人権教育指導員
【電話】0967-62-0227
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