~互いの人権を尊重し、支え合うことから~
(1)熊本地震から8年目を迎えて
新年度に入り、町内の各園、各学校では入園式や入学式が行われています。新たな一歩を踏み出す子どもたちにとって、心の中は喜びや期待感でいっぱいのことでしょう。
さて、この4月で熊本地震から8年目を迎えます。平成28年4月14日午後9時26分、その28時間後の16日午前1時25分の二度にわたり、県内は最大震度7の揺れに見舞われました。災害関連死を含め250人を越える方々が亡くなられ、多くの住宅が全半壊の被害を受けました。発災後、私は近くの学校グラウンドで2日間の車中泊を経験しましたが、なおも続く余震におびえながら、車内で夜明けを待つ時間がとても長かったことを覚えています。
被災された方は、大きな不安と緊張の中、長期にわたり避難生活を余儀なくされました。その一方、阿蘇郡市内の避難所では、子どもたちによる高齢者の方々への肩もみや手紙のやり取りなど、温かい交流の場面がみられました。また、自らも被災者でありながら、避難所内の掃除やかべ新聞作りなど、みんなの役に立ちたいという思いから自発的に行動する子どももいました。
このように、子どもたちの小さな取組は、避難所の人たちを笑顔に、そして心を元気にしていきました。
(2)今回の能登半島地震から思うこと
1月、新しい年を迎えた矢先、石川県能登地方で震度7の大地震が発生しました。未だ、水道などインフラが復旧していない地域があり、朝夕の寒さをしのぎながら避難所で生活されている方々がいます。半島という地形的な要因も重なり、復旧作業は思うように進んでいません。一日も早く、日常の生活に戻られることを願っています。
また、気になるのは被災地の子どもたちへの影響です。表面上、明るく振るまっているように見えても、心に負った傷は大きいと考えられます。学校が再開し、登下校中に目にする被災した建物や道路を見るたび、多くの子どもたちは心を痛め、ストレスを増幅させていることでしょう。周囲の大人がしっかり寄り添い、心のケアに努めていただくよう願っています。過去に同じ経験をした私たちは、危機意識を緩めることなく、被災された方々の心に寄り添い、できるところから復興に向けた応援をしていけたらと思います。
問合せ:高森町教育委員会 地域人権教育指導員
【電話】0967-62-0227
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