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自治体の皆さまへ

一人ひとりの「いま」に応じた居場所を~加賀市の教育が大きく変わります。~

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石川県加賀市 クリエイティブ・コモンズ

■vol.3 子どもたち全員に、確実に学びを届ける
加賀市学校教育ビジョン2023-2025
自分で考え動く生み出すそして社会を変える

◆学校教育ビジョン4つの柱の2つ目、「誰一人取り残さない」プロジェクトについて説明します。
平成28年12月、増加している不登校の子どもが教育の機会を損なわないことを目的に教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)ができました。この法律の基本理念の一つに、個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援が行われるようにすることが掲げられています。本市では、子どもが学校に気持ちが向かなくなってしまったとき、教室や学校以外にも安心して過ごすことができる場の選択肢を作り、必ず一人ひとりに学びが届く環境作りを行っていきます。

▽教育総合支援センターの機能を強化します
不登校の子どもたちが安心して学ぶことができるよう、教育総合支援センターの機能を強化していきます。不登校支援に関して全国で一番実績があり、本市と連携協定を結んでいる「認定NPO法人カタリバ」と連携して進めています。今後、学校に来ることができない子どもたちの個々の現状を把握しながら、支援を必要とする子どもたちと確実につながり、状況に応じたさまざまな支援策を用意することで、子どもたちに確実に学びを届けていきます。

▽福祉部局と連携し、不登校支援施策を総合的に実施します
不登校の要因は複合的であり、福祉的支援が必要なケースもあります。福祉部局と連携し、一人ひとりの状況にあった支援方法を見立て、保護者支援や家庭へのアウトリーチ支援、学校復帰支援など、総合的に実施します。

◆不登校・不登校傾向の子ども
小学校:10人に1.3人
中学校:10人に1.4人
国の調査では、不登校は「年間30日以上の欠席」とし、小学生で1.3%、中学生で5%が不登校となっており、加賀市でも同様の傾向があります。また、実際に欠席日数が年間30日に達していない子どもや、学校には行けても教室には行けない子どもなど、数字に表れない状況もあります。不登校の子どもへの対応については、「教育機会確保法」の成立を機に、無理に学校に戻すのではなく、子どもの「社会的自立」を第一に考え、多様な教育の機会や学びの場を提供していく、という方向へ変化しています。
Instagram:@education.kagacity
加賀市教育委員会facebook
※QRコードは本紙をご覧ください。

◆教育総合支援センターを移転・リニューアルしました!不登校支援拠点として機能強化します
不登校支援の拠点として、教育総合支援センターを旧三木小学校に移転し、4月1日にオープンしました。施設コンセプトは「多様なひとが集う新しい地域の居場所」。学校に行きづらくなってしまった場合の居場所として、安心して過ごすことができる空間デザインに改修しました。正面玄関を入ってすぐの旧視聴室は、子どもたちが安心して過ごせるよう、明るく広々とした多目的室に改装しました。部屋は「リビングルーム」と名付け、オープン初日から、子どもたちがのびのびと過ごす姿が見られました。

◆不登校の増加は、今の学校システムが限界であるサイン
教育長 島谷千春
▽「授業」を変えることも大事な不登校対策
年々増え続ける不登校の現実は、子どもからのSOSであり、学校の在り方を変えるべきときに来ていると加賀市では捉えています。学校を子どもにとってもっと安心できる場所にしたいと思っています。子どもたちが何よりも長い時間を過ごすのは「授業」です。クラスでの立ち位置を否が応でもはっきり認識できてしまう旧来の一斉型授業で、疎外感をずっと感じている子どもたちが沢山いるのも現実です。自分の「伸び」や「成長」をもっと子ども自身が感じられるように、自己肯定感を高めることができるような授業に変えていこうと、市内の学校では沢山のチャレンジが始まっています。子どもを主役にした新たな授業スタイルを始めたクラスでは、個々のペースで自分で計画して学びが進んでいくため、教室に入れなかった子が一緒に勉強できるようになったケースも出てきました。「学校が楽しい」と思えなかった子が、楽しいと思えるようになった子が10ポイント程度上がった学校もあります。ある子どもは、「こんな自分でもやればできるんだなと思えることが増えてうれしい」と言ってました。

▽不登校の保護者支援も進めていきます
自分も子育てをしている中で、これまで不登校で悩んでいるママ友やパパ友の話を沢山聞いてきました。親から見れば、何の前触れもなく不登校が始まるケースが沢山あります。
このままずっと学校に行けなかったらこの子の進路はどうなるんだろう…、どうすれば学校に行けるようになるんだろう…、これから自分の仕事はどうしよう…、自分の育て方が悪かったのかな…と子どもも苦しいですが、保護者もたくさん苦しい思いを抱えます。学校が遠ざかっている子どもたちに、別の手段で確実に「学び」につなげられるような環境整備はどんどん進めていきますが、保護者の伴走支援も同じぐらい大事なことだと思っています。「認定NPO法人カタリバ」や福祉部局とも連携して、保護者の相談体制の整備も進めていきたいと考えています。

子どもの「今」も「未来」も幸せにする、well-beingを実現する学びの改革を行うために、4つのプロジェクトを進めていきます。次号はPROJECT3「未来は自分で創る」プロジェクトについてご紹介します。

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