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4月KMC院長室から(医者言葉1)

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石川県加賀市 クリエイティブ・コモンズ

加賀市医療センター病院長北井です。今回は医療現場で使われる言葉について書いてみようと思います。病院で働いている人がよく使う言葉ですが、世間では余り使われていない言葉が沢山あります。そのため、私たち医師は少し会話しただけで、病院で働いているでしょう、と当てることができます。例えば、何回も、という意味の「頻回(ひんかい)」という言葉はよく病院で使いますが、普段は聞きなれないものです。外来で看護師さんがお話を聞くときに「夜、頻回にトイレに起きますか?」というふうに聞いているのですが、通じません。「ひんかい」を2階と聞き間違えて、「トイレは1階や」と返されることもあります。また、食べ物が間違って肺に入る「誤嚥(ごえん)」という言葉もよく使いますが、日常ではほとんどお目にかかりません。誤嚥による肺炎で入院ですと説明している横で、この病院にご縁があったので入院したと勘違いされている人もいたとかいないとか。兎に角、病院でしか通用しない言葉が多くあり、私も皆さんに署名をもらう承諾書で病院言葉を見つけるたびに、簡便な言葉に、英語でなく日本語に直しています。それでも、同僚が患者さんやご家族に説明している話に聞き耳を立てていると難しいなあと思うこともしばしばです。でも、わからなかったら、是非止めて質問してください。医者は矢継ぎ早に説明するので圧倒されますが、病気は患者さんのもの、医師はともに戦う戦友なのです。今後行う予定の作戦計画を知らないでは一緒に戦えません。(続く)

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