加賀市医療センター病院長北井です。病院で使う言葉は難しいというシリーズで書いてきました。ですが今度は私が難しい名前をタイトルにしてしまいました。法律にこう書いてあるので仕方ありません。特定行為とは従来医師にしか許されなかった医療行為の特別なもの(特定行為)を研修修了した看護師(特定看護師)に許可するというものです。諸外国では看護師資格を有している人が手術室で傷を縫ったり、風邪薬の処方をしたりできます。日本でも医師の働き方改革の一端として特定看護師にも活躍してもらおうというものです(タスクシェア:仕事の分担)。加賀市医療センターでは県内に先駆け、人工呼吸器の調整を特定看護師が行っています。多忙な医師よりも患者さんに近い看護師の方が適切なタイミングで調整できるという現場の声もあります。特定行為を教育するセンターも病院内に設置され、新しく特定看護師になろうと勉強されています(リスキリング)。特定看護師がいることで入院患者さんのメリットのみならず在宅医療も推進できそうです。これまで以上に医師と看護師が協働しています。我々医師も看護や介護の視点を身につけて地域医療に邁進する時代になりました。
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