加賀市医療センター病院長北井です。医師の働き方改革について先月号で掲載し、最後は患者さんやご家族への説明は時間内でお願いしますと結びました。少し反響やご意見がありました。もちろん、急変や緊急手術が必要になるような、重大な時は時間外でもご説明します。担当医としての責務だと思うからです。しかし、病状が安定している状況下では、患者さんのご家族など、すべてが一同に介して、今後の治療方針や予定手術の説明を時間内にお願いしたいと思います。たまに、患者さんと同居の長男夫婦にお話したと思ったら、その週の休日に東京の次男がやってきて、どうなっているのか直接聞きたいなどの申し出があります。また怒られるかも知れませんが、医師(私)の本音を言うと、日中に説明に同席されないのは、親の健康問題と仕事をシーソーに乗せて、仕事の方が勝っていらっしゃると心の中で嘆いたりもします。病院ではキーパーソンという言葉で家族代表者を決めていただいています。心配する皆さんが個別に説明を望むということは理解しますが、キーパーソンの方には重要な決定事項は時間をかけて説明しています。説明した内容の書類もお渡ししております。同席できない時は、どうかキーパーソンに疑問やご意向をあらかじめお伝えください(続く)。
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