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自治体の皆さまへ

まちかど a street corner(234)

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石川県津幡町

■多様な公民館活動を支えるもの
実はよく来ていても、よく知らないかもと津幡公民館へ。6つの区を束ねて、津幡町の中心街、役場や公共施設を含み、郊外の住宅団地や中山間地に近いところもあり広く、さらに人口規模も大きい。
記憶に新しい7月の水害は、昭和39年の700戸以上が浸水した豪雨水害以来のものとなった。改めて戦前、戦後の地形図と現在のものを比べて見て、かつての蛇行する津幡川を見つめる。その後に大規模な河川改修が行われ、現在の姿になった。川尻水門より上流に溜められた流れは穏やかで、堤防上でウォーキングなども気持ちがいい。また、川は舟運によって人と物資を運ぶ、藩政期から鉄道ができるまでの川の役割は大きい。加賀・能登・越中へ向かう道の交差する三叉路と川の舟運が一体になって賑やかなまちを造っていった。人とモノの交流は商工業や文化を育み、さまざまな人が輩出した。
津幡地域交流センターに津幡公民館が入る。主事の畝村さん、事務の大熊さんに話を聞いた。これまでの活動からも「THE公民館」の印象がある。サークルの一覧を見ると、他の公民館やシグナス(生涯学習センター)で開催されている数より多い。単純に規模の反映ともいえない多様さや奥深さを感じる。女性会は津幡地区だけが残っているが、その女性会が主体になっているサークルもあり、男性が中心となっているところもある。結果として入門しやすいところから入り、他のサークル情報が共有され、さらに参加するという好循環なのである。運動会なども区個別に行われるとともに地区全体でも行う。他の行事、イベントでも区ごとの主体性と全体でのまとまりの両面が見える。敬老会も全体で行うと参加者が多く入りきらないので、今はシグナスを使うという。参加率も高く、イベントでは女性会やサークル活動の発表会的なところでも関わりがあるので、いい連携がそこにある。
駐車場の狭さは気になるところだが、造成され管理されている建物周りの花壇が入り口でのコミュニケーションツールとして機能している。子どもから高齢者まで多世代、多様な団体が入り混じり活動する姿が見える。さらに、防災の視点も入れた新しいコミュニティー拠点としての形が見えてくるようだ。

▽谷本亙(たにもとわたる)
津幡町潟端在住。まち and むら研究所代表。
伝統工芸品、日本酒、農産物及び加工品開発、観光調査等に関わる。
現在、各種事業支援活動を中心に、農企業の役員、医療関係のNPO法人などの役員を努めている。

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