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まちかど a street corner(231)

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石川県津幡町

■条南に住むということ
実は住んでいるところについて、知らないのではないか。今回は自らのことでもある。
条南小校区は津幡バイパスの伸長とともに新市街地が発展。河北潟に沿うように住宅団地ができ、人口が増えてきた。古くから住んでいる集落と新住民とが混在する。それでも潟につながる用排水路と田園風景は大きくは変わらない。今でも水路沿いを歩いていると潟から上がってくる魚を見ることができ、水を通して潟とのつながりを感じる。大雨のときには水路から水位が上昇してくるので、ここで排水の大切さを知る。新しくこの地区に来た人の多くは県内外からやってきた。子どもが大きくなり、働き手の親世代は還暦前後から次のステージに向かう人たちが多くなった。
ほとんど寝るために帰る津幡であったし、土日は津幡か津幡以外で過ごしていた。ふと時間で振り返りつつ、自らの住んでいる場所を考えてみるのだが、知らないままである。これは条南公民館の細山館長、中井主事さんから云われ、「ハッとした」。特に男性はさらにその思いが強いのではないか。女性の場合は地区、町内、学校行事、さらに公民館行事への参加機会も多いと思う。私の経験としても、選挙のときに投票に行く、公民館の存在と行事に目が向く。
小学校区に1つ公民館の設置もあり、新たに条南小学校の開設とともに、公民館が設置された。条南地区は公民館として中条公民館と関わりが深い。そもそも「中条コミュニティーだより」は2つの公民館での案内であり、毎月送られてきても改めて意識することはなかった。実際2つの公民館を結んでの運営は津幡町内でも他にないものだ。公民館の行事には中条とともに開催するもの、分担するもの、さまざまである。敬老会は中条地区との一体で行われ、女性研修会も2つの公民館で行われる。地元における一体性を維持しつつ、人口増の地区において分担することで役割を果たしている。社会福祉協議会を通じ、石川高専の学生さんと地元の子どもたちとの交流活動も始まっている。太田地区での野菜市の話も聞いた。聞きながら自分の住んでいる地区という実感が湧いてくる不思議な感覚である。

▽谷本亙(たにもとわたる)
津幡町潟端在住。まち&むら研究所代表。
伝統工芸品、日本酒、農産物及び加工品開発、観光調査などに関わる。
現在、各種事業支援活動を中心に、農企業の役員、医療関係のNPO法人などの役員を務めている。

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