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まちかど a street corner(232)

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石川県津幡町

■津幡町障害児・者団体連絡協議会「てんとう虫の会」
みなさんは、津幡町障害児・者団体連絡協議会「てんとう虫の会」をご存じだろうか。今から13年前の平成22年7月14日にその会は立ち上がった。発端は一人のお母さんの体験から始まった。バギーに乗った子どもと他町の音楽会に参加したとき、普通は車いす用のところか、後ろの席に案内されるのだが、そこはなんと!舞台の一番前に案内してくれたのだ。その体験を津幡町でできないのかと相談してきたのだ。障害があってもなくても、寝転んででも音楽が聴ける音楽会ができないのかと。また、こんな悩みを打ち明け、共に考えてくれるところがないのかと。そこで、広域ネットワークがその役割と考え、障害があっても安心して津幡町で暮らすことができるように各種団体が集まり、何ができるか話し合う目的で、津幡町障害児・者団体連絡協議会「てんとう虫の会」が立ち上がったのだ。てんとう虫の会には、肢体不自由児・者父母の会「ラフ」、身体障害者福祉協議会、発達障害児の親の会「クローバー」、不登校を考える親の会「ホットミルク」の4団体が加盟しており、毎月の定例会に加え、コロナ禍の前は毎年、ねころんで音楽会の開催やつばた町民八朔まつり、町防災総合訓練などへ参加している。
そもそも“障害があるから一番前で音楽会は聴けない”とはどういうことだろう?音楽はどんな人でも遠慮することなく触れ合えることが大切なのに、区別される垣根は何なのだろう?人権の観点やLGBTQの観点からも変な話だなぁと思う。なのに当事者が話すまでは気にもしていなかった自分がそこにいた。そこが今考えなければいけない課題だと私は思う。
人はいつの時代でも自分の中での常識(価値観)がある。時にはそれが正論として当たり前になっていることも多い。しかし、「正論は正論であって正論ではない」。常識と思うことも生活習慣が違えば、地域が違えば、国が違えば、常識ではなくなっていることは多々ある。自分の常識は実は自分に都合の良い常識なのではないだろうか。それを常に念頭に置いて、自分の価値観にとらわれないで、この活動を応援していきたいと思う。

▽村中智恵(むらなかさとえ)
看護師として10年の勤務後、専業主婦となる。4人の子育て中に出会った母親たちから聞こえてくる苦しみは、まさに「家族の危機」が多く、水面下の現実を知る。
その後、母親たちを支援することにより、子どもの健全育成を図ることができるのではないかと考え、地域協働の子育てを実現させようと活動を始める。
現在、民生委員・児童委員として活動している。

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