文字サイズ
自治体の皆さまへ

地域医療最前線!公立河北中央病院赤ひげ通信

41/55

石川県津幡町

■心療内科のお話
心療内科 藤田欣也
4月から河北中央病院に赴任した藤田と申します。これまで関東の大学病院の心療内科を経て、郷里の石川県の精神病院に勤務していました。これからは心療内科医として津幡町に貢献したいと考えています。
皆さんは心療内科にどういうイメージをもつでしょうか。精神科とどう違うんだろう、どういう病気の人がかかるの、と思われるでしょうか。
心療内科について、少し説明させていただきたいと思います。心療内科は、もともとは心身症を診る科として誕生しました。心身症とは器質的または機能的異常を有する身体疾患で、その発症や経過に心理社会的要因が密接に関与しているものとされています。簡単に言いますと、体に異常があるなしに関わらずストレスが関わっている病気ということになります。摂食障害、過敏性腸症候群などはストレスと関係があることは知られていますが、慢性頭痛、気管支喘息、糖尿病、高血圧などにもストレスが関わっていることもあり、そういった点では、全ての病気が心身症という考え方もできます。つまり精神科では主に心の病気を診るわけですが、心と体の両方を診るのが心療内科となります。心療内科を標榜している医療機関の大部分は精神科の先生が心療内科を標榜されていることが多いようですが、本来の心療内科は内科であり、身体面を診ることも必要となります。私自身は精神科専門医ですが心療内科専門医でもあり、内科医としても勤務しています。
例えばお腹が痛い、頭が痛い、と受診された方が検査で異常がなかった場合、内科では「異常がなくてよかったですね」で終わってしまうこともあると思います。心療内科を受診された場合は、そこから専門的な診療が始まることになります。どういった部分を診ていくのかというと、その方がどういう性格傾向でどういう考え方をしているのか、社会的な役割は、家族関係や学校や会社など環境面は、といったことを診ていきます。うつ病や不安障害といった精神科的な疾患も守備範囲となります。動悸で受診して検査で異常がなかった方、高血圧・糖尿病と診断された方が心療内科的なアプローチで改善した例など、心身の両面から治療を行っていきます。
皆さんはさまざまなストレスにさらされていて、心身のバランスを崩す方や病気にはならないまでもギリギリのところで踏みとどまっている方、つらくても相談する場所がない方もおられると思います。そういう方が気軽に受診できる場になればいいと考えております。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU