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まちかど a street corner(238)

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石川県津幡町

■災害のとき
令和6年1月1日は忘れられない日になった。まさかの地震。まさかの被災。奥能登は津波がすぐに来てしまい、大火事に何もできない惨事。親族、仲間、知り合いが…。目を覆う状況に胸が苦しくなる。
発災して、さまざまな方からの心配や応援のメッセージ。こちらからの確認に、大変な状況にもかかわらずお返事くださる方々。近所の状況を確認すると避難所にはすでに多くの人々が。電気はきているが、断水が続く。店やコンビニからはすでに水は消え、当たり前にあった水がこんなに必要だとは…。子どもを抱えた保護者や動けない高齢者を抱えている人々から聞こえてくる声は、津波ではなく地震による倒壊の恐れがあるところで過ごせないという恐怖。陥没や隆起する道路をみて慄く…。人はこんな大変なときにも関わらず、人を思いやる心があるがために、逆に迷惑をかけたくない行動に出てしまい、避難所の配給は受け取らず車中で過ごしていたり、自宅で耐えている人々も多く、二次被害が出てくる人たちも少なくないだろう。身体が動かない人も精神疾患がある人も子どもたちも赤ちゃんすらもただ事ではないことが起こっていることを察知しているがゆえに。
1月2日、状況の確認ができるようになり、各団体が動き始める。被災地にボランティアや物資を届けることなどは難しいと分かっても、何ができるのかそれぞれが話し合い、検討し、提案していく。この姿をさまざまなところで拝見し、胸が熱くなった。こんなときこそ支え合う、励まし合う、助け合う。やはり人間は捨てたもんじゃない。おにぎりを、温かい食事を、トイレを、お風呂を提供する人。部屋を、マッサージを、住めるところを提供する人まで出てきてくれた。こんなときだからこそ、被災者が少しでも安心して過ごせることはまだ時間がかかるけど、それに近いように状況を察して何ができるかをみんなで考えていく人間の尊い心を垣間見れた年初めとなった。
亡くなられた方のご冥福をお祈りします。そして、支援されている皆様には心から感謝いたします。どうか一日も早い復興を祈念し、自分ができることを少しずつ考えていきたいと思っています。

▽村中智恵(むらなかさとえ)
看護師として10年の勤務後、専業主婦となる。4人の子育て中に出会った母親たちから聞こえてくる苦しみは、まさに「家族の危機」が多く、水面下の現実を知る。
その後、母親たちを支援することにより、子どもの健全育成を図ることができるのではないかと考え、地域協働の子育てを実現させようと活動を始める。
現在、民生委員・児童委員として活動している。

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