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自治体の皆さまへ

世界への玄関口 つばた空港 Tsubata International Airport

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石川県津幡町

■走れティム ティムは津幡にきた
氏名:ティモシー・ブラティナ Timothy Bratina
誕生日:1996年4月5日
出身:アメリカ コロラド州
趣味:読書、バレーボール、ランニング
【E-mail】kokusai@town.tsubata.l(エル)g.jp
つばた空港執筆者(町CIR・ALT)製作!つばたイングリッシュチャンネル

■海岸からの眺め
前に、富山市に行って、岩瀬浜で立って海を見渡しました。あそこから、岸辺に押し寄せる波の轟きを聞きながら、遠くに能登半島の長閑そうな佇まいが見えました。去年に起こった地震の影響は誰もが忘れられないと思いますが、水平線に浮いている形、そのぼんやりとした影からは、地震による被害は誰が見ても見当がつかないでしょう。悲しいことに、その凄まじい現実は距離と海によって閉ざされています。私たち人間も同じく、ある意味、目に見えない距離と波や風に隔たれ、私たちの遠い佇まいを通して、他人によって認められています。他人の人生を完璧に理解するのは、どんなに親しい関係でも、不可能ではないでしょうか。
9月に私は交通事故にあいました。友達に会いに向かっている途中で道に迷っていて、道路の向こうにある駐車場に慌てて入ろうとしたとき、対向車とぶつかってしまいました。幸い誰も重い怪我もなく、両車とも大したダメージを受けませんでした。事故報告書にて、事故原因は「油断」となりました。目に見える経緯からするともちろんそうです。しかし、私はその判断を聞いて、どうも後味が悪かったです。
事故の夜を振り返れば、さまざまな気持ちが、岩瀬浜の波のように、頭に押し寄せました。友達との約束を守らなければならないというストレス、道に迷って悔しい気持ち、減速することによって後ろにいる車に迷惑をかけているのではないかという後ろめたい気持ち、あの瞬間に駐車場を通り過ぎてしまったら、どうしようかという不安。あの夜、油断したのは確かですが、私の行動はさまざまな心配ごとに影響を受けていたと分かりました。事故が完全に私のせいだということは変わらないですが、この2つの経験のおかげで大事なことに気づきました。
前回の自己紹介の記事では、自分が選んだ道を進むように力説しました。しかし、前に進んでいるからといって、きちんと前を見ているとは限りませんね。コツコツ歩くことの大切さだけではなく、じっくりと前を見据えることの大切さも今更ながら分かりました。前を見て、次にやって来るものに注目するからこそ、避けるべきとか、追い求めるべきかを認知できます。そして、その道の途中で出くわした他人の行動に巻き込まれそうになったとしても、イライラせず寄り添うことのできる人間になりたいです。皆さんにも目に見えない悩みごとや、願望がきっとあると思います。そういう大事なことを、私たちは慌ただしい日々を送るあまり、こんなに忘れやすく、また忘れてしまってはいないでしょうか?

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