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地域医療最前線!公立河北中央病院赤ひげ通信

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石川県津幡町

■骨粗鬆症、骨密度検査について
診療放射線技師 浅田莉華子

▽骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨量(骨密度)が減る、または骨の質が低下することで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1千万人以上の患者がいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。

▽骨粗鬆症の原因
骨の中では、破骨細胞が古くなった骨を破壊し(骨吸収)、そこに骨芽細胞が新しい骨を形成する(骨形成)サイクルを繰り返しています。骨粗鬆症は、このバランスが崩れることで起こります。男性にも見られますが女性に多く、主に閉経後のホルモンバランスの崩れによって起こります。ほかには老化や遺伝的体質、偏食や極端なダイエット、運動不足、喫煙や過度の飲酒などが原因になります。また、骨量低下をきたす疾患や薬(糖尿病、慢性腎臓病、関節リウマチ、ステロイド薬など)の影響で発症することもあります。

▽骨粗鬆症で起こる骨折
骨粗鬆症によって骨強度が低下すると、荷物を持ち上げる、手をつくなどの日常の何気ない動作で骨折が起きやすくなります。また、自分の体重に背骨が耐え切れなくなり、気づかないうちに背骨がつぶれて骨折していることがあります。骨折が生じやすい部位は、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。骨粗鬆症による骨折は、骨折をすればするほど連鎖的に次の骨折が起こりやすくなります。背骨のバランスが崩れて背中が丸くなることで、胃食道逆流現象などの消化器疾患や呼吸器機能障害、心臓の機能低下などの原因となることがあります。特に大腿骨(太もものつけ根の骨)を骨折すると入院や安静を強いられ、運動機能や内臓機能が低下して寝たきりにつながりやすく、寝たきりから認知症が進行する可能性もあります。

▽骨密度検査について
骨粗鬆症かどうかを調べる検査の一つとして、微量のエックス線を使って骨密度を測定する検査があります。ベッドに仰向けに寝て、骨粗鬆症で骨折が起こりやすい背骨(腰椎)や太もものつけ根の骨(大腿骨近位部)を計測します。1回の骨密度測定における被ばく量は胸部レントゲン撮影の5分の1程度です。検査時間はおよそ10分弱で痛みはなく、検査したその日に検査結果が分かります。ご自分の骨密度を把握するために、一度骨密度検査を受けてみてはいかがでしょうか。

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