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地域医療最前線!公立河北中央病院赤ひげ通信

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石川県津幡町

■動脈硬化と検査
臨床検査部 藤山栞
動脈は、酸素と栄養を豊富に含んだ血液を、全身に配るパイプの役割をしている血管です。動脈硬化とは、動脈の壁が厚くなって血管が狭くなったり(狭窄)、血管が硬くなったりして、血液が流れにくくなった状態です。動脈硬化が進行すると、血管が詰まり、細胞に血液が行き渡らなくなり、細胞が壊死します。これを梗塞といいます。
動脈硬化の原因は、(1)高血圧、(2)脂質異常、(3)糖尿病、(4)喫煙、(5)肥満、(6)家族の中に心筋梗塞や狭心症になった人がいるなどです。40歳以上の男性、50歳以上の女性で、(1)~(6)のうち2つ以上あてはまる人は動脈硬化を発症しやすいとされています。ただし、糖尿病は単独でも動脈硬化を発症しやすくなります。
以下に、動脈硬化の進行具合をチェックする検査を紹介します。

▽血液検査
動脈硬化の原因となる代表的なものは、総コレステロール、中性脂肪などの脂質です。コレステロールや中性脂肪は人体に必要な脂質ですが、多すぎると生活習慣病の原因となります。コレステロールや中性脂肪が増加する「高脂血症」の状態が長く続くと、動脈硬化を起こしやすくなります。

▽ABI/CAVI
ABIは足の動脈の詰まりの程度を表し、ABIが低いと動脈の狭窄や閉塞の可能性があります。CAVIは動脈の硬さの程度を表し、動脈が硬くなると検査値も高くなります。両手両足の血圧を測定する要領で行い、所要時間は5~10分程度と簡便な検査です。

▽頚動脈エコー
血管壁が厚くなることで血管が狭窄していないかを、エコーで直接観察します。頚動脈は動脈硬化が起こりやすい部位であり、頚動脈の動脈硬化の程度をみれば全身の動脈硬化を把握することができるといわれています。エコーを用いる安全な検査で、所要時間は15分程度です。
動脈硬化はあまり自覚症状がありませんが、放置すると、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞など、命にかかわる疾患の原因となります。定期的に検査を受けて、動脈硬化の早期発見と治療に努めましょう。

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