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九谷焼イッピン!ここが見どころ!

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石川県能美市

~近代色絵九谷の変遷~

◆今月のイッピン!「森一正(もりかずまさ) 色絵露草図陶筥(いろえつゆくさずとうばこ)」
森一正は明治33年(1900)12月28日に能美郡寺井野町の大長野に生まれました。家業の陶器業を継ぎながら、石川県立工業学校教師の安達陶仙(あだちとうせん)や、江沼郡(現・加賀市)の北出窯に来た富本憲吉(とみもとけんきち)に師事(しじ)し、陶画家としての腕を磨きました。昭和12年(1937)には、九谷焼上絵作家としては数少なく、寺井野町内では初の国展入選を果たしました。
昭和17年(1942)商工省から指定されて芸術保存作家となり、戦前戦中の厳しい中、寺井小学校や寺井工業補修学校の講師や助手を勤めながら、画筆をもちました。昭和21年(1946)には国展審査員に選ばれ、翌年には天皇北陸御行幸(ごぎょうこう)の際、御前揮毫(ごぜんきごう)を行いました。
昭和23年(1948)に寺井の自宅に工房を建てましたが、後に棟方志功(むなかたしこう)が「九谷芸韻(げいいん)塾」と命名しました。この工房は後進育成のもので、藤原繁雄(ふじわらしげお)、末川泉山(すえかわせんざん)らの多数の名工を生み出しました。昭和48年(1973)には、寺井町無形文化財(工芸)第1号に認定され、昭和54年(1979)10月24日に78歳で没(ぼっ)しました。
この作品は昭和51年(1976)に寺井町指定文化財に指定された陶筥です。露草をはじめ栗やきのこが五彩で描かれ、一貫して写実派画風で新匠(しんしょう)九谷焼を風靡(ふうび)した森一正の代表作といえるイッピン!です。(文・学芸員 宮山)

森一正 色絵露草図陶筥
サイズ:縦12.0/横29.0/高12.8cm
作者:森一正(陶号・一正(いっせい))
生没年:1900(明治33)~1979(昭和54)年
制作年:1963(昭和38)年
所蔵:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|

◆INFO
▽いしかわ百万石文化祭2023能美市独自事業
「九谷“繋がる展”andワークショップ」
期間:10月14日(土)~11月26日(日)
会場:「五彩館」
※会期中「五彩館」は無料

▽|浅蔵五十吉記念館|開館30周年記念展 第2弾「浅蔵五十吉一門と若き創作者展」
期間:~11月26日(日)
会場:「浅蔵五十吉記念館」

▽「浅蔵五十吉一門と若き創作者展」列品解説
日時:10月14日(土)13時30分~
会場:「浅蔵五十吉記念館」
講師:山中國盛氏

▽展示替えのため臨時休館
期間:10月10日(火)~13日(金)
会場:「五彩館」

■情報発信元:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|
入館料:一般430円・75歳以上320円・高校生以下無料
※浅蔵五十吉記念館もあわせて入館いただけます。

基本的感染対策(手指消毒など)にご協力をお願いします。

問合せ:【電話】58-6100【FAX】58-6086
※月曜休館

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