■トキ ~美しいトキの羽色~
日本を代表する鳥の1種であるトキ。その姿は意外と思い出せないかもしれませんが、多くの方が、美しい羽の色であれば思い描くことができるのではないでしょうか。鴇色(ときいろ)と呼ばれる淡いピンク色の美しい羽は、古くから矢羽根やご神刀の柄に用いられてきました。
さて、色の名称にもなるほど美しいトキの羽ですが、実はその羽色を目にすることができる期間は僅かです。
トキは繁殖期を迎えると、首から分泌される物質を体に塗りつけることで、背中側を中心に黒っぽい姿へと変化します。こうすることで、子孫を残す大切な時季を外敵から見つかりにくくしていると考えられています。この羽の色の変化が、早い個体だと12月の中頃から始まります。
黒く色づいた羽は、徐々に黒っぽさが薄れてはいくものの、夏の換羽シーズンまで残るため、鴇色のトキが見られるのは晩夏から初冬までの、わずか4か月弱ということになります。
全国の動物園でトキが見られるのは能美市にある「いしかわ動物園」だけです。黒く染まる恋の季節のトキもいいですが、せっかくですので、今の時季ならではの美しい羽色を見に来ませんか?
いしかわ動物園では11月~3月までは冬期営業となるため、閉園時刻が16時30分となります(入園は16時まで)。
お間違えのないように、ご注意ください。
いしかわ動物園ホームページ(本紙二次元コード参照)
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