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九谷焼イッピン!ここが見どころ!~赤絵九谷の系譜と展開~

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石川県能美市

■今月のイッピン!「綿野製(わたのせい)・南久画(なんきゅうが) 赤絵彩色人物図花瓶一対(あかえさいしきじんぶつずがびん いっつい)」
明治の九谷貿易商・綿野吉二(わたのきちじ)(1859~1934)が、明治の名画工・澤田南久(さわだなんきゅう)(1845~1922)に絵を付けさせたイッピンです。当作品は欧米からの里帰り品で、約100年ぶりに買い戻され帰国した代物です。
綿野吉二は寺井の生まれで、明治10年(1877)に父の業を継ぎ、神戸支店から仏国パリに九谷焼の直輸出を試みました。同13年(1880)には支店を横浜に移し、九谷焼の海外への販路拡張に努めました。
澤田南久は久三郎といい、叔父の久四郎について陶画を修練しました。また諸大家の画図・絵本を収集して独学し、文久元年(1861)には、自宅に工房を構え「南久」と号しました。その後、画風の改良をし、明治19年(1886)には能美郡陶画工組合副頭取になって後進の育成にも尽力しました。
この作品は小品ながらしっかりとした素地で、面取りした胴部や金彩の双耳や唐子の脚部に見るべきものがあります。絵図の主題は我が国の古典文学から着想を得たものと思われ、人物表現が実に見事なイッピン!です。(文・館長中矢)

綿野製・南久画 赤絵彩色人物図花瓶 一対
サイズ:口径6.6/高24.5cm
作者:澤田南久
制作年代:明治時代前期~中期
所蔵:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|

◆INFO
▽「九谷の陶彫展-宮本直樹-」
会場:五彩館
期間:~10月9日(水)

▽「創造美術会陶芸部展」
会場:五彩館
期間:~10月9日(水)

▽「第20回記念能美市美術作家協会展」
会場:五彩館・浅蔵五十吉記念館
期間:10月12日(土)~11月24日(日)
※特別企画ワークショップも実施します。

▽特別イベント「九谷焼クイズラリー」(受付:五彩館)
日時:10月19日(土)・20日(日)
※本紙20ページ

▽展示替えのため臨時休館(五彩館・浅蔵五十吉記念館)
期間:10月10日(木)・11日(金)

▽「九谷陶芸村まつり(秋の茶碗まつり)」
期間中
(10月19日・20日)入館無料

■情報発信元:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|
入館料:一般430円・75歳以上320円・高校生以下無料
※浅蔵五十吉記念館もあわせて入館いただけます。

問い合わせ:【電話】58-6100【FAX】58-6086
※月曜休館

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