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九谷焼イッピン!ここが見どころ!~近代色絵九谷の変遷~

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石川県能美市

◆今月のイッピン!「北出不二雄(きたでふじお) 小禽文平鉢(しょうきんもんひらばち)」
兵庫県に生まれ、本名は藤雄(ふじお)。実の叔父で養父の北出塔次郎(とうじろう)に師事します。昭和25年(1950)に金沢美術工芸専門学校(現在の金沢美術工芸大学)の陶磁科を卒業しました。同年第6回日展に初入選、以後入選受賞を重ね、作家としての地位を確立しました。九谷の伝統を生かしながらも、現代感覚あふれる陶技は幅広く、奥深いものがあります。ペルシア陶器に影響を受けた柔らかい表現の「彩釉陶(さいゆうとう)」は、磁器とは違った味わいがあります。九谷に新境地を開き、これまでに九谷焼技術保存会会長、金沢美術工芸大学学長、日展参与を勤め、後進育成にも尽力しました。平成26年(2014)6月10日に94歳で他界しました。
この作品は古九谷の青手(あおて)技法を使って、3羽の小禽(しょうきん)と花唐草(はなからくさ)を力強く描いています。単純化した線描の小禽は黒呉須(くろごす)上に黄色釉(きいろゆう)が施され、黒呉須を使って濃密な空間を作る花唐草を描き、その上に緑釉(みどりゆう)を施しています。たった2色の世界ですが、少しの破綻(はたん)も許されない緊張感が漂っており、それだけに地の白も1つの色として効果的に生かされているイッピン!です。(文・館長中矢)

北出不二雄 小禽文平鉢
サイズ:口径43.0cm
作者:北出不二雄
生没年:1919(大正8)~2014(平成26)年
制作年:昭和40~50年代
所蔵:KAM 能美市九谷焼美術館|五彩館|

◆INFO
▽「第18回石川県陶芸協会作品展」
期間:~3月17日(日)
会場:「五彩館」

▽コレクション展「色絵九谷大皿展」
期間:~3月17日(日)
会場:「五彩館」

▽|浅蔵五十吉記念館|開館30周年記念展 第3弾「二代浅蔵五十吉と作家友の会」作品展
期間:~3月31日(日)
会場:「浅蔵五十吉記念館」

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