文字サイズ
自治体の皆さまへ

九谷焼イッピン!ここが見どころ!~近代色絵九谷の変遷~

22/39

石川県能美市

■今月のイッピン!「三代德田八十吉(さんだいとくだやそきち) 燿彩壷(ようさいつぼ)」
三代德田八十吉(とくだやそきち)は昭和8年(1933)に能美郡小松町字大文字町(だいもんじちょう)(現在の小松市大文字町)で二代德田八十吉の長男として生まれ、「正彦(まさひこ)」と命名されました。金沢美術工芸短期大学(現在の金沢美術工芸大学)陶芸科を中退後は、父・二代八十吉の陶房で絵付け技術を学び、祖父・初代八十吉の最晩年に上絵釉薬(ゆうやく)の調合を任されました。昭和44年(1969)には二代八十吉陶房から独立し、小松市に工房兼自宅を構え、電気窯による制作を始めます。
昭和63年(1988)、「三代八十吉」を襲名し、以降、国際陶芸展や日本陶芸展で最優秀賞を受賞しました。平成5年(1993)にはイギリス大英博物館に作品が所蔵され、同年に紫綬褒章(しじゅほうしょう)を受章しました。平成9年(1997)に重要無形文化財「彩釉(さいゆう)磁器」保持者(人間国宝)に認定され、国内外で古九谷調査や講演会を実施しました。平成21年(2009)に75歳で他界しました。
三代八十吉は釉薬の発色や温度、素地(きじ)の高低差による釉薬の流れ方などの関係について緻密(ちみつ)にデータを取り、また釉薬の調合を工夫し200色を超える中間色を作り出しました。文様によらない色のグラデーションだけを見せる作品を次々に発表し、「色」に特化した作品は、海外でも高い評価を得ていきました。三代八十吉は自らの技法を、光り輝く色として「燿彩(ようさい)(耀彩)」と命名しました。この作品も焼成後の発色や釉薬の流れ方などが計算されているイッピン!です。(文・学芸員宮山)

三代德田八十吉 燿彩壷
サイズ:口径25.5/胴径50.0/高50.0cm
作者:三代德田八十吉
生没年:1933(昭和8)~2009(平成21)年
所蔵:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|

◆INFO
▽「第18回石川県陶芸協会作品展」
期間:~3月17日(日)
会場:|五彩館|

▽コレクション展「色絵九谷大皿展」
期間:~3月17日(日)
会場:|五彩館|

▽「第47回伝統九谷焼工芸展」
期間:3月20日(水・祝)~5月12日(日)
会場:|五彩館|

▽|浅蔵五十吉記念館|開館30周年記念展
第3弾「二代浅蔵五十吉と作家友の会」作品展
期間:~3月31日(日)
会場:|浅蔵五十吉記念館|

※3月19日(火)は展示替えのため|五彩館|は臨時休館
※9月末まで改修工事のため|体験館|は休館
絵付け体験は|五彩館|2階で可能です。

■情報発信元:KAM 能美市九谷焼美術館|五彩館|
入館料:一般430円・75歳以上320円・高校生以下無料
※浅蔵五十吉記念館もあわせて入館いただけます。

基本的感染対策(手指消毒など)にご協力をお願いします。

問合せ:【電話】58-6100【FAX】58-6086
※月曜休館

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU