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九谷焼イッピン!ここが見どころ!~赤絵九谷の系譜と展開~

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石川県能美市

■今月のイッピン!「浅井一毫(あさいいちもう) 赤絵金彩玉魚珮文台鉢(あかえきんさいぎょくぎょはいもんだいばち)」

浅井一毫は大聖寺藩士の浅井長右衛門(ちょううえもん)の次男として生まれ、初名を幸八(こうはち)と称しました。兄の吟秋(ぎんしゅう)(のちの竹内吟秋)と共に、堀文錦(ほりぶんきん)や小島春晁(こじましゅんちょう)から絵画を学び、14歳の頃から宮本屋窯で赤絵を習いました。後に飯田屋八郎右衛門所持の『方氏墨譜寫本(ほうしぼくふしゃほん)(写本)』を譲り受け、一毫は赤絵細描(さいびょう)の名手といわれるようになりました。慶応2年(1866)に大聖寺藩から関白二条斉敬(なりゆき)に送る茶席一切の用具を調進して、藩主前田利鬯(としか)から「相鮮亭(そうせんてい)一毫」の号を受けました。
明治4年(1871)の廃藩後、大蔵清七(おおくらせいしち)と協力して衰微しかかった九谷焼の復興に努力し、明治10年(1877)に京都の池田清助と共に海外輸出品の製造を手掛けました。明治12年(1879)には山代の九谷陶器会社に入って画工部長となり、事業拡張に専念しました。明治14年(1881)に会社を退いてからは大聖寺で自営し、大正5年(1916)に亡くなりました。
本作は西洋の食卓にもマッチする高坏型の台鉢で、全体が豪華絢爛な赤絵金彩となっています。見込み部分には赤絵細描による卍(まんじ)崩しの文様や、「玉魚珮(はい)」など『方氏墨譜』にも取り上げられている題材が描かれています。また口縁部分には、赤絵細描で青海波(せいがいは)文様や金彩で寿の字などが描かれています。八郎右衛門から受け継がれた技術が遺憾無く発揮されているイッピン!です。(文・学芸員宮山)

浅井一毫 赤絵金彩玉魚珮文台鉢
サイズ:口径22.0/高14.0cm
作者:浅井一毫
生没年代:天保7(1836)~大正5(1916)年
所蔵:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|

◆INFO
▽「九谷の陶彫展-宮本直樹-」
会場:五彩館
期間:~10月9日(水)

▽「創造美術会陶芸部展」
会場:五彩館
期間:~10月9日(水)

▽KAM能美市九谷焼美術館|体験館|リニューアルオープン
日時:9月28日(土)10時~(体験受付11時~)
会場:体験館

※リニュアルオープン準備のため臨時休館(体験館)
期間:9月1日(日)~27日(金)

■情報発信元:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|
入館料:一般430円・75歳以上320円・高校生以下無料
※浅蔵五十吉記念館もあわせて入館いただけます。

問い合わせ:【電話】58-6100【FAX】58-6086
※月曜休館

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