日本芸術院賞 山岸大成さん

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■神々の座「綿津見(わたつみ)」
九谷焼作家山岸大成さん(寺井町)が日本芸術院賞に選ばれました。6月10日、東京都で天皇皇后両陛下ご臨席の下、日本芸術院賞の授賞式が執り行われました。
7月17日には、山岸さんが市役所を訪れ、井出市長に受賞を報告されました。

◇九谷焼の白と日本人が持つイメージ
受賞作品「神々の座『綿津見』」は、九谷焼の土の特徴である青白さが際立つ白磁の作品です。あえて色を付けないことで光や影の様子によって、この作品を見る人がそれぞれの色を感じて想像できるようになっています。
また山岸さんが手がける神々の座シリーズに共通する白色は、日本人が白に対して持つ神のイメージを表しています。
作品名の「綿津見」は日本神話に登場する海の神の名で、海そのものを指す言葉でもあります。作品の上部には波や水がたゆたう様子を表現したデザインがあしらわれています。どこか親しみやすさを感じる曲線状の上部と、人知の及ばぬ神域を思わせるような直線状の下部との対比が美しい作品となっています。

◇誰も思いつかない独自の世界を
山岸さんは受賞に際し「作品を作るのは、何か賞を得るなどということではなく、ものづくりが好きで、作りたくて作っています。それがありがたいことに評価してくださる方がいらっしゃるおかげで私は作品作りを仕事にできています。人と交わることが好きでいろいろなことに関わってきましたが、自分の活動を見て若い人が出てきてくれることはうれしく思います。これからも誰も思いつかないような、独自の世界を広げて行きたいと思っています」と述べられました。