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九谷焼イッピン!ここが見どころ!~赤絵九谷の系譜と展開~

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石川県能美市

■今月のイッピン!「二代九谷庄三(しょうざ) 色絵鳳凰図中皿(ほうおうずちゅうざら)」
少し渋い素地味(きじあじ)の中皿で、色絵金彩で天を舞う鳳凰(ほうおう)と、それと対峙して地にいわゆる丘龍(おかりゅう)を配し、両者のまわりを宝文(たからもん)と瑞雲(ずいうん)が飛翔しているかのような図模様となっています。周縁には吉祥紋様の七宝文(しっぽうもん)を巡らせ額縁効果をだし、裏銘は「九谷/庄三」とあります。作者は、名工九谷庄三(しょうざ)の家名と陶号を継承した二代九谷庄三であると伝わっています。二代は安政2年(1856)小長野出身の亀田内右衛門(うちうえもん)の次男として出生、亀田仁三郎(にさぶろう)と称し、長じて庄三の門下に入り修業しました。庄三には正妻(武腰志津(しづ)、庄三の高弟武腰善平(ぜんべい)の姉)との間に家を継ぐ子がなく、数多くいた門人の中から庄三の眼鏡にかなって、明治9年(1876)頃に庄三の養子となりました。時に庄三60歳、志津43歳でした。同16年(1883)に庄三が歿(ぼっ)した後、二代庄三を襲名したようです。昭和5年(1930)に歿しています。享年75歳。二代庄三の弟子には、本多重山(じゅうざん)、吉田吉郎平がいたと伝えられています。
本作は数少ない二代庄三の作とみて間違いがないと伝えるもので、研究資料としても貴重なイッピン!と言えます。(文・館長中矢)

二代九谷庄三 色絵鳳凰図中皿
サイズ:口径23.7/底径12.3/高3.5cm
作者:二代九谷庄三
生没年:安政2(1856)~昭和5(1930)年
所蔵:|五彩館|

◆INFO
▽「能美市九谷焼瑞宝単光章展」
会場:|五彩館| 紫の間
期間:~3月9日(日)

▽「第31回日本工芸会石川支部陶芸部展」
会場:|五彩館| 緑の間
期間:~3月16日(日) ※最終日は16時まで

▽新指定文化財(二代末川泉山作品2件)を常設展示室にて展示中(|五彩館|)

※|五彩館|2階改修工事のため、「黄色の間」閉室
改修工事期間中(4月上旬頃までの予定)、一般入館料を団体割引します(430円→370円)

情報発信元:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|
入館料:一般430円・75歳以上320円・高校生以下無料
※浅蔵五十吉記念館もあわせて入館できます。

問い合わせ:【電話】58-6100【FAX】58-6086 ※月曜休館

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