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かながわの源泉数 600超 ~多様な泉質と豊富な湯量

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神奈川県

県内の源泉は、西は箱根火山から東は横浜・川崎まで広く分布しており、源泉の数は600カ所以上あります。その泉質はさまざまで、全源泉の総湧出量は1分当たり3万リットルに上ります。多様性こそが神奈川の温泉の特徴です。

県内の温泉は、マグマだまりから供給される火山ガスや熱水の影響によりできた火山性温泉とそれ以外の要因によりできた非火山性温泉に分類することができます。

【火山性温泉】
◆箱根・湯河原温泉
箱根温泉や湯河原温泉の歴史は古く、奈良時代には発見されていたといわれており、湯河原温泉は万葉集にも詠まれています。
これらの温泉は火山活動による恵みであり、源泉の温度は高く、泉質もバラエティに富んでいます。また、源泉数は県全体の75%以上を占めています。

○湯本、塔ノ沢など
主な泉質:単純温泉
肌への刺激はマイルドです。

○大平台、宮ノ下など
主な泉質:塩化物泉
皮膚に塩分が付着するため、保温効果があります。

○大涌谷、芦之湯など
主な泉質:酸性泉、硫黄泉
殺菌力が強いです。

○湯河原温泉
主な泉質:塩化物・硫酸塩泉
保温効果があります。

【非火山性温泉】
◆あつぎ温泉郷(厚木市) 中川温泉(山北町)など
丹沢山地周辺に湧出する温泉です。温度は火山性温泉に比べると低温ですが、アルカリ性であり、湯触りが滑らかです。

◆鶴巻温泉(秦野市)など
この地区の温泉の起源は、太古の地殻変動などで地中に閉じ込められた海水(化石海水)であり、主な泉質は塩化物泉です。鶴巻温泉では、特にカルシウムを多く含み、保温効果があるといわれています。

◆綱島温泉(横浜市港北区)など
横浜や川崎に分布する主な泉質は、塩化物泉や炭酸水素塩泉です。炭酸水素塩泉の中には茶褐色~黒色をした黒湯もあり、皮膚の角質を柔らかくする作用があるといわれています。
黒い色は、地層中に取り込まれた植物などの有機物から生成された腐植質によるもので、色の濃さは地域や温泉の深度によって異なります。

【温泉地学研究所とは】
神奈川県は世界有数の変動帯に位置しており、私たちに豊富な温泉や地下水資源などの恵みをもたらしてくれる一方、常に地震や火山活動のリスクとも隣り合わせています。温泉地学研究所は、1961年の創立以来、このような「恵み」と「リスク」に関する調査研究に取り組んできました。地方自治体では唯一、温泉について研究している機関で、地元では温地研(おんちけん)の愛称で親しまれています。

◆温地研の取り組み
○温泉・地下水の保全のために
・温泉・地下水のモニタリングによる持続的な資源利用に向けた調査研究

○安心・安全の確保に向けて
・水蒸気噴火の予測に向けた調査研究
・箱根火山の火山活動および地震活動や地殻変動の観測研究

上記記事に関する問合せ:県温泉地学研究所
【電話】0465-23-3588【FAX】0465-23-3589

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