熱気人(あつぎびと)

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■丁寧な仕事で喜ぶ顔を

精肉店役員
田口　恭介さん(38・水引)

大学を卒業してすぐ、市内で父が営む精肉店で働き始めました。お客さんに喜んでもらうため、「一つ一つ着実に」をモットーに仕事と向き合っています。
1961年創業の精肉店に生まれ、みんなが包丁を手に肉を切り、店先に並べる光景が日常にありました。親からは好きな道に進んでいいと言われていましたが、高校生の頃には気持ちが決まっていました。働き始めて痛感したのが、商品がお客さんに届くまでの仕事を着実に積み重ねる大切さです。仕入れ、肉への包丁の入れ方、道具の手入れ、温度管理など、何か一つがおろそかになってもお客さんの喜ぶ顔は見られません。それを、父や先輩社員の働く姿から学んできました。
3月に郷土料理「厚木のとん漬」が文化庁の100年フードに認定されたのは、うれしい知らせでした。以前、贈答品を食べた県外の方が「おいしかったから私も知人に贈りたい」と連絡をくださったことがありました。郷土の味と私たちの仕事が認められた気がして、忘れられないエピソードの一つになっています。これからもお客さんの声を大切にしながら、みんなが入りやすく、また来たくなるお店で在り続けたいです。