博物館の学芸員が、あれこれを語り倒すコーナー。
■集めちゃった脱穀機
大野 一郎
博物館には、郷土の歴史をたどる上で貴重な史料となる農具を多く収蔵しています。今回はその中から「足踏み脱穀機」を紹介します。
この脱穀機は、板を踏むと無数の針金を埋めた筒が1分間に100回転し、穀物の実をかき取る仕組みです。これまで、竹に挟んだり、千歯こきに引っ掛けたりしていた脱穀の作業時間が、一気に短縮されました。博物館にある脱穀機は15台。ほうろうでできた看板のデザインや書かれた内容がとてもおもしろく、一台、また一台と集めてしまいました。2大メーカーと言われた細王社(川崎市)と木屋(川越市)の物が多く、酒井・岡田地区など市の南部には、愛知県で作られた物も見られます。東海道線開通後、平塚市を経由して来た物ではないでしょうか。上依知・岡田地区にも製造メーカーがあったようですが、残念ながら製品は確認できていません。
今のコンバインへと発展する農具機械化のパイオニア「足踏み脱穀機」。7月22日から展示しますので、ぜひご覧ください。
詳しくは博物館HPに掲載
問合せ:あつぎ郷土博物館
【電話】225-2515
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