■伝統ある昆虫食を後世に残したい
昆虫食専門会社 最高技術責任者
三橋 亮太さん(36)
2019年から昆虫食専門会社で商品の開発・製造などをしています。昆虫食は遅くとも江戸時代から現在に至るまで、長い間人々に親しまれてきました。決して万人受けする食材ではありませんが、求める方がより手軽に手に取れるような市場づくりを進めています。
昆虫食に興味を持ったのは農学を学んでいた大学2年生の時、何気なく手に取った食用昆虫の学術書がきっかけです。科学的な根拠が弱い記述の多さに気付き、昆虫食研究に興味を持ち始めました。その後大学院では、福島県のイナゴの放射性物質の分析や昆虫の栄養成分に関してまとめる研究などをしました。卒業後は、香料メーカー勤務を経て、大学院時代の研究仲間がつくった今の会社に入りました。最近は日本各地でも食用昆虫の生産者が増えています。生産者と協力しながら、地域性を生かした昆虫食品の開発にも取り組んでいます。昨年には、厚木産のトノサマバッタを粉末にして、原料に使用したせんべいを発表しました。
昆虫食の仕事には課題が山積みです。昆虫食を身近に感じてくれる人が増えるように少しずつ積み重ねていきます。
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