■モズの「はやにえ」(モズ科)
体長20センチほどの小形の猛禽(もうきん)類。かぎ形の鋭いくちばしでカマキリやトカゲ、カエル、小鳥などを捕え小枝に刺す「はやにえ」を作る。農耕地や川原、林縁などに生息する/相模川の戸田付近で見つけた。
モズは「百舌(もず)」と書くとおり鳴きまねが上手で、その声に誘われて襲われる小鳥たちもいる。秋から冬になると単独で縄張り宣言をするため、秋空に「キィーキィーキィー、キチキチキチ」と、甲高い高鳴きが聞かれる。
川沿いを歩いていると、尾羽をクルックルッと回し、辺りを見渡すモズを見つけた。不意に草むらの中に落ちるように飛ぶと、何かを捕まえて小枝に止まった。羽に白い紋が目立つ雄のモズだった。胸の辺りに映る影はコカマキリで、それを枝先に刺すと何食わぬ顔で飛び去った。「はやにえ」の完成を初めて見た。
写真・文:吉田文雄
※写真は本紙をご覧ください。
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