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【特集】地域で子育て世帯を支える みんなで子育て(1)

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神奈川県厚木市

子育てをしていると、少しだけ助けてもらいたくなったり、話を聞いてほしくなったりする時が誰にでもあるはずです。市では、子育て支援センターを中心に、地域の皆さんの力を借りて子育て世帯を支える仕組みをつくっています。特集では、子育て世帯と地域の関わり方を追いました。

■地域と連携した子育て支援の仕組み

■子どもから広がる輪
ほっとタイムサポーター
小池 美智代さん
「こんにちは、今日も児童館で楽しく遊んできたのかな」。子どもたちに優しく声を掛けると、小池美智代さん(毛利台)は、手際よく夕飯の支度にとりかかります。小池さんは、6カ月以下の子どもがいる家庭を手伝う「ほっとタイムサポーター」。市内各地の家庭を訪れ、おむつ替えや料理、洗濯、掃除など、育児や家事のサポートをしています(下記参照)。

▽子どもたちと接する喜び
ほっとタイムサポーターは、出産を終えて間もない世帯を支えるため2013年に市が始めた取り組みです。子育て支援センターが仲介役を担い、支援してほしい世帯とサポートする地域の人をつないでいます。現在は51人のサポーターが登録。年間で約160件の支援依頼に応じています。小池さんもその一人。制度が始まったときから登録し、活動を続けています。「こんなに長く子どもに関わる仕事をするとは思っていなかった」と笑う小池さん。サポーターを始める前、自身の育児が落ち着き、何か子どもと関わることをしてみたいと思っていました。児童館で働きながら、日々子どもたちと関わるうちに、楽しさを感じるようになっていきました。
サポーターへの仕事の依頼は、子育て支援センターが受けた支援要請の内容から、対応できる人に連絡します。サポーターは指定された時間に依頼者の自宅を訪ね、2時間活動します。小池さんに依頼している後藤奈緒子さん(戸室)は「産後3カ月の夫の育児休暇が明け、家事と二人の育児を基本的に一人でこなさなければならなくなった時、児童館の方に勧められサポーターのことを知った。週に1日、夕飯のことを考えない日を作ることができ、心の余裕につながっている」と話します。後藤さんは小池さんが夕飯の支度をしている間、下の子をお風呂に入れたり、上の子におやつを食べさせたりして、有効に時間を使っています。小池さんは「いつも楽しい時間をいただいている。帰る時に『また来てください』と言われると本当にうれしい」とほほ笑みます。

▽縁を大切にして
小池さんは長年サポーターとして活動する中で、多くの家庭と関わってきました。「最近では子育てをするお父さんも増えて沐浴(もくよく)やおむつ変えなども一緒にしてくれる」と話す小池さん。訪問先では家族との会話を楽しみながら活動しています。小池さんたちサポーターは、子育て支援センターで研修を受け、沐浴や子どもとの接し方を学んでいます。
長年活動を続ける小池さんの周りには、たくさんのつながりが生まれています。「道端で以前関わったお母さんに声を掛けてもらったり、支援が終わっても共通の趣味が分かり、付き合いが続いたりしている」と話す小池さん。子育て世帯を支える活動から生まれた縁を大切にしながら、今日もどこかの親子の元を訪ねています。

■妊産婦を支援しませんか ほっとタイムサポーターを募集
妊娠中や出産後の方の自宅を訪問し、育児や家事などの手伝いをするサポーターを募集しています。
対象:
(1)保育士
(2)ホームヘルパーで養成講習3級以上を修了
(3)介護福祉士
(4)保健師または看護師
(5)市子育てアドバイザー
―のいずれかに該当する方
申込み:子育て支援センターや市HPにある申請書を直接、子育て支援センターへ。

問合せ:子育て支援センター
【電話】225-2922

■できることを続ける
ファミリー・サポート・センター提供会員
秋田 征男さん
「今日はよく来たね。トランプでもして遊ぼうか。どんなゲームを知っているかな」。自宅で預かる子どもたちに優しいまなざしを向けるのは秋田征男さん(82・寿町)。「子どもたちは大切な存在。みんな孫のように見えるね」。ファミリー・サポート・センター(以下ファミサポ)の提供会員として、20年以上地域の子育て支援に携わっています。

▽我が子のように
妻の美弥子さんと2人の娘を育ててきた秋田さん。「30年前に子どもたちがみんな巣立ち、寂しさがあった。時間ができたら、地域の子どもたちのお世話をしたいと考えていた」。20年前から市内で暮らし、市の広報紙でファミサポのことを知った秋田さんは、定年退職をきっかけに夫婦で講習を受け、提供会員になりました。
ファミサポは1994年、全国的に始まった取り組みです。市内では、習い事の送迎や保育所・幼稚園への迎えなど年間3000件を越える依頼があります。援助に当たる提供会員は10月時点で295人。秋田さん夫婦も月に2回ほど子どもを預かっています。「悪いことをしたら叱るし、遊ぶときは一緒に楽しむ」と、自分の子どものように接しています。昨年には、11年前に3年間預かっていた子どもが成人式の晴れ着姿を見せに来てくれる出来事がありました。「突然で驚いたけれど、うれしかった」と目を細めます。

▽地域で支える
「昔は近所の子どもをみんな知っていた。もっと地域のつながりがあれば子育ても楽になるはず」と話す秋田さん。「支援の受け皿が増えてほしい。誰にでもできることはあるはず」と力を込めます。体が元気なうちは支援を続けていくと言い切る秋田さん。夫婦で力を合わせ、笑顔で子どもたちを迎えています。

■子どもの送り迎えなどを援助 ファミリー・サポート・センター提供会員
保育所への送迎や、一時的な預かりなどをする提供会員を募集しています。
対象:市内在住で子どもの一時的な預かりや、保育施設への送迎などができ、講習会を受講できる方。
申込み:子育て支援センターや公民館にある申込書と写真2枚を、直接ファミサポ事務局へ。
【電話】225-2933
2024年2月の講習会を受けて活動開始。

問合せ:子育て支援センター
【電話】225-2922

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