■クロモジ(クスノキ科)
ようじのことをクロモジと言って、和菓子に添えられているのを見かける。枝にある黒い斑点が、文字のように見えるので黒文字(クロモジ)と呼ぶ/上荻野の山林で見つけた。
薄い黄色のクロモジの花が咲き、ヒラタアブの仲間がホバリングをしながらそっと止まった。小さな花であるが集まって咲き、花粉はアブの触角や胸に付着していた。
アブはクロモジに花粉を頂き、受粉を助けていた。花と虫は互いに助け合い共生していた。何げなく枝先を見ると、折れた枝があった。クロモジは、人に良い香りを与えたり、ようじとして使われたりすることが多く、折られてかわいそうな姿になっている。
そんな苦難に負けず、残った枝をどんどん伸ばす姿から、新しい年輪を刻む努力を学びたい。
写真・文:吉田文雄
※写真は本紙をご覧ください。
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