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あつぎ郷土博物館連動企画 學藝員のススメ 第56回

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神奈川県厚木市

博物館の学芸員が、あれこれを語り倒すコーナー。

■江戸時代の「さがミ川」
飯田 好人
あつぎ郷土博物館では、所蔵する浮世絵を1年かけて展示する「浮世絵でみる江戸」展を開催しています。5月14日から初代歌川広重(1797~1858年)の最晩年の作である「冨士三十六景」を展示しています。
今回紹介する「さがミ川」は、風のない川面にいかだの上で起こした火から細く真っすぐ立ち昇る様と、相模川を下るいかだ師の姿が印象的な1枚です。描かれた場所は、対岸に宿場町が見えないことと、大山と富士山の位置関係から現在の海老名市側から見た厚木市域内の戸田の渡し付近だと推測されています。季節は初冬といわれていますが、茂るほどでないにせよアシが生えていること、画面内に舞う3羽のサギの季語が夏であることから、初夏の早朝とも考えられています。
「冨士三十六景 さがミ川」の展示期間は5月26日までです。ぜひ、ご来館ください。

問合せ:あつぎ郷土博物館
【電話】225-2515

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