■ハナイカダ(ミズキ科)
葉の中央に小さな花が咲き、まるで船頭さんが栰(いかだ)に乗っているように見えるのが名の由来。落葉低木で高さ1~3メートルほど。雌雄異株で雌花は1個、雄花は数個の花が咲く/不動尻の林縁で見つけた。
光沢のある葉の中心に花が咲き実がなる珍しいハナイカダには「気高い人」という花言葉がある。散策中に誰かが見つけると、みんなの顔が明るく陽気になるほど魅力あふれる樹木で、葉の主脈が花の位置まで伸びて太いのは茎の名残と思われる。
花の咲いた後、雌株の方に1個、まれに2個の実がなることがある。実は初めは緑色で、黒く熟してくると甘酸っぱい味がする。若葉はおひたしや天ぷらとして食べられ、薬用効果もある。
今年も会え、また来年も会えると思うと新たな希望が湧いてくる。
写真・文:吉田文雄
※写真は本紙をご覧ください。
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