■介護をもっと身近に
福祉施設運営会社代表・介護福祉士
山﨑 慎也さん(33・林)
今年3月に戸室にある認知症グループホームの1階を改装し、誰でも立ち寄れるカフェやギャラリー、貸しスタジオを併設しました。介護を身近にできる施設を目指しています。
両親が市内で老人ホームを経営していて、幼い頃から毎日そこで遊んでもらっていました。中学生の頃、孫のようにかわいがってくれたおばあちゃんが寝たきりになり、元気をなくしていく姿を見るのが辛くて、避けたくなったこともありました。それでもいつかは介護の仕事にと思い、大学で福祉を学び、8年前に今の仕事に就きました。介護はマイナスのイメージを持たれがちですが、こんなにありがとうと言ってもらえる仕事は他にありません。皆さんが楽しめるよう常に気持ちを聞き取り、「動物園に行きたい」「映画を見たい」などの希望を実現してきました。楽しそうな姿を見ると自分もうれしいです。気軽に寄れる機能の併設を思い付いたのも、当事者になるよりもっと早く、介護に触れる機会があればと思ったからです。
誰でも年を取るし、できないことが出てくるのは自然なことです。それでも楽しんで生きていけることを、多くの人に感じてもらう一助になれたらうれしいです。
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