博物館の学芸員が、あれこれを語り倒すコーナー。
■火をつける道具
大野 一郎
毎年、年の暮れから2月にかけて市内の小学3年生の来館が増えます。その時期に授業で「昔の暮らし」や、暗闇の恐怖克服を主題とした「モチモチの木」(作・斎藤隆介)を学ぶからです。本当の暗闇を知らない子どもたちは、怖くて外便所で用を足せない主人公の気持ちが理解できません。このことを説明されると、子どもたちは「マッチ、ライター無しで、どのように火をつけたの」と疑問を抱きます。
今回のお薦め史料は、1828年の銘(めい)がある火打ち箱と携帯用の火打ち袋です。展示では、発火具だけでなく周辺資料までカバーしています。火打ち金・石だけでは駄目で、火を得るにはその火花を火打ち箱に落とす必要があることや、携帯用もあるなど、子どもの学習・理解の一助にもなるでしょう。
1月18日からあつぎ郷土博物館で「あかりの道具」展を開催します。今とは異なる発火の道具などを展示するのでチェックしてみてください。
問合せ:あつぎ郷土博物館
【電話】225-2515
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