■父の背中を追って
大工
和田 裕太朗さん(36・恩名)
大工職として両親が経営する工務店に勤め、お客さんの希望を聞きながら新築住宅の骨組みの組み立てやリフォームなどを手がけています。
代々続く大工の家に生まれたせいか、物を分解して組み立てる遊びや図工の授業が好きでした。働く父の姿を間近で見て育ち、小学生の頃には自然と大工を志すようになりました。大学で建築を専攻し、24歳で大工になり、父とは別の親方の下で修行を始め、材料の種類や扱い方、柱の組み方、寸法の感覚など一から学びました。大工の仕事は、木を切ったり削ったり、組み立てたりと1ミリ単位で作業する世界で、少しずれると家は建ちません。失敗を繰り返しながら経験を積み、実家の工務店に戻ったのは29歳の時です。父と働くと、自分にはない技術や知識でより早く、きれいに作業していることを実感しました。父に追いつき追い越そうと、日々勉強しているので、「いいじゃねぇか」と褒められたときはうれしく、もっと頑張ろうという気持ちになります。
4年前に一級建築士の資格を習得し、できる仕事が増えました。これからも学びや経験を積み重ね、新しい技術を身に付けて、腕を磨き続けたいです。
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