◆厚木基地
最後に、厚木基地に関わる取り組みについて申し上げます。
本市に所在する厚木基地は、航空機の騒音被害や事故への不安、さらには建築物の高さ制限等による街づくりの支障など、本市に様々な影響を及ぼしており、市民は日頃から多大な負担を強いられています。
そうした中、国は、第一種区域等の見直しを示しておりますが、住宅防音工事における告示後住宅への早期助成着手や待機世帯の解消など、本市が長年にわたり求めてきた諸課題の解決と市民の理解が極めて重要であることから、国の具体的対応を粘り強く求めるとともに、多大な負担に見合うよう、国の周辺対策の拡充を求めてまいります。
空母艦載機の移駐により、市内の騒音状況に大きな変化がみられますが、未だ航空機の騒音や部品紛失などの各種事案も発生していることから、本市といたしましては、市民が安全で安心な暮らしを送れるよう、適切に対応してまいります。
また、厚木基地との文化、スポーツの交流などが活発となり、基地との相互理解が促進される新たな関係の構築を図るとともに、将来的な厚木基地の活用等も見据えながら、今後も引き続き、市民の多大な負担が解消されるよう、基地に起因する諸問題の解決に全力で取り組んでまいります。
以上、私の市政に対する所信並びに主要な事業について、申し述べてまいりました。
行政を取り巻く環境の変化に適切に対応するために、意識しておかなければならないのは、バランスの取れた持続可能な行財政運営です。本市に限らず全国の多くの自治体において、急速な高齢化に伴う社会保障関係費などが大きく増加する一方で、冒頭でも触れたように、それを負担する生産年齢人口は減少しており、基礎自治体が置かれている状況は厳しいと言わざるを得ません。こうした中にあって、福祉や子育て、まちの安全、安心など、市民生活に資する必要な事業を見極めることはもちろん、将来にわたって質の高い行政サービスが提供できる財政の健全性の確保が、極めて重要な視点であると捉えています。このことを念頭に置きながら、市長として初となる新年度予算編成を行うことができたものと自負しております。
新年度も、市民の皆様、農業・商業・工業をはじめ、市内の産業に携わる皆様、市議会議員の皆様、そして行政、皆の力を結集し、共に、明るく活気ある未来に向けて邁進してまいりたいと考えています。
今後とも市政への更なるご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げて、令和6年度の施政方針といたします。
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